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<小野憲史のゲーム時評>進むゲーム会社のE3離れ ライブの活用がカギ

7/14(土) 11:00配信

まんたんウェブ

 超硬派のゲーム雑誌「ゲーム批評」の元編集長で、ゲーム開発・産業を支援するNPO法人「国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)」元代表の小野憲史さんが、ゲーム業界の現在を語る「小野憲史のゲーム時評」。今回は、米ロサンゼルス・コンベンションセンターで6月12~14日(現地時間)に開催された世界最大のゲーム業界見本市「E3(エレクトロニック・エンタテインメント・エキスポ)」(エンタテインメントソフトウェア協会主催)で起きている新しい流れについて語ります。

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 「E3」では、例年以上に一般来場者をプロモーションに活用しようとする施策が目立った。E3は、流通業者向けの商談会とメディア向けの新作発表会を柱に、1995年からスタートした。長く業界関係者向けの見本市として知られてきたが、2017年から一般来場者の受け入れを始めた。公式発表では2018年は6万人が来場し、うち一般来場者は1万5000人だ。

 背景にあるのがE3の地盤沈下だ。まずデジタル流通の拡大で、ゲームソフトの商談会機能が薄まった。インターネットのストリーミング配信の定着で、ゲーム会社はゲームの情報を世界中のユーザーに直接届けられるようになった。スマホゲームのように、見本市を必要としないゲーム市場も拡大している。

 実際、E3と時期をずらして、自社主催の記者発表会で新製品を発表する例も増えている。プレイステーション4やXbox One、ニンテンドースイッチは、いずれもこのパターンだ。これにより、ゲーム会社は新商品を目立たせつつ、情報の露出時期を管理できる。こうしてゲーム会社のE3離れが進んできた。

 とはいえ一方で、E3のプレミアム感は健在だ。一般ゲーマーにとって、E3は長く業界関係者しか入ることのできない“聖域”だった。そのため3日間で249ドル(約2万7000円)の入場パスが発売されると、ネット上で瞬く間に完売。会場には“ゲームの聖地”を体験したい熱狂的なユーザーが見られた。

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最終更新:7/14(土) 11:00
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