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オウム死刑執行 中川元死刑囚、家族会に語る「長い間、お世話になりました」

7/13(金) 7:55配信

産経新聞

 オウム真理教の元教祖、麻原彰晃(しょうこう)元死刑囚=執行時(63)、本名・松本智津夫(ちづお)=ら7人の死刑が執行されてから、13日で1週間。元死刑囚らは執行前、それぞれの思いを支援者らに語っていた。

 「長い間、お世話になりました」。2月、中川智正(ともまさ)元死刑囚=執行時(55)=は、東京拘置所でオウム真理教家族の会、永岡弘行会長に告げた。「ああいうふうに言われたのは初めて。何か察していたのだろうか」と永岡さん。翌月、広島拘置所へ移送され、今月6日に執行された。

 永岡さんは信者に脱会を促す活動を続け、平成7年には信者らに猛毒の神経剤VXをかけられた。教団の暴走を許したのは「社会の責任」と元幹部らと面会を重ね、中川元死刑囚からも「接見したい」と申し入れがあった。

 永岡さんが「君は世のため、人のためを考える人間だったと、少なからず私たちは思っているよ」と言葉をかけると、下唇をかみしめたという。

 《被害者の方々は故郷を見ることもできないことを思い、改めて命を奪うことがどれほど罪深いことなのかじっとかみしめるばかりでした》

 4月、支援者の元に井上嘉浩(よしひろ)元死刑囚=執行時(48)=から手紙が届いた。東京拘置所から大阪拘置所への移送中に故郷の景色を目にしたことをつづっていた。

 同じ高校出身の僧侶、平野喜之さんは、井上元死刑囚から「ぜひ機関誌に載せてほしい」と依頼され、編集を進めていた中での執行だった。3月に初の再審請求を申し立てた井上元死刑囚は、先月25日に平野さんが面会した際には「とても前向きで、機関誌や署名用紙の誤字を丁寧にチェックしていた」という。

 平野さんは「犯罪に関わったことは許されないことだが、井上君は使命として多くの言葉を語ってきた。元死刑囚らに語らせないまま執行されたのは非常に残念だ」と話した。

最終更新:7/13(金) 11:12
産経新聞