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浜松市の行政区再編 議論佳境、サービス低下を住民懸念

7/14(土) 7:55配信

産経新聞

 浜松市の行政区再編に向けた議論が佳境を迎えている。10日には市内の経済界や自治会の代表者、市議らが参加して公開討論会が開かれた。パネリストのほとんどは経費削減などが図れるとして区の数を削減することに賛成したが、市が行った市民からの意見聴取では「行政サービスが低下するのではないか」といった不安の声も根強い。市は平成32年には新体制に移行したい考えだが、しばらく曲折がありそうだ。(島田清)

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 「人口が60万人に減少してから財政を考えるのではだめだ」「体力が健康な今、財政を見直すべきだ」「区再編で削減した経費で借金返済に充てるのがいい」-。

 区の再編を求める浜松商工会議所などが作る「浜松の未来を考える会」が行った公開討論会では、こうした意見が多くを占めた。

 ◆年間3億~10億円節減

 市は、人口減少傾向が続く中、これまでの分散した行政区では福祉や保健などの専門的なサービスの低下、地域コミュニティー支援が困難になると主張。現在7区ある行政区を、2区ないしは3区に再編する案を複数提案。現在の緑豊かで自然と産業が調和した北部と都心を核とした南部の2つのエリアが再編の中心となっている。一方、市議会の一部からは5区案も出ている。

 市によると、再編によって職員が減ることなどで、年間3億~10億円の経費削減効果が見込めるという。今回の討論会に参加した1人は「5千億円あるといわれる借金返済に、その一部を回せばいいのでないか」と持論を展開した。

 ◆納得得られるか

 一方で、再編に対して不安を口にする住民も少なくない。

 市が5~6月に実施した住民説明会では、「必要性は分かるが、十分な見通しがない中で時期尚早」「さまざまな削減をすることで行政サービスは低下してしまう」と懸念を示す声も出た。

 住民サービス低下に対する不安について鈴木康友市長は、人口や面積が浜松市とほぼ同じ静岡市を引き合いに出し、「区が3つで出先機関は浜松市より少ない」と指摘。「十分なサービスを提供しており、区役所の数だけではなく運営次第ではないか」と話す。市としては、区役所がなくなったとしても協働センターなどで対応できる、という考えを持つ。

 さらに鈴木市長は「国が危機感を持って取り組もうとしている自治体改革を先取りしている」と強調する。

 行政区再編の是非に対する判断は、平成31年2月に迫る。この間、市は今年8~10月にパブリックコメントなどの手続きを踏み、最終的に1つの案に絞り込む方針。再編決定後、31年2~3月に開かれる行政区画等審議会へ諮問する流れだ。

 他の自治体も参考になるような「浜松モデル」を生み出すことができるか。住民に残る不安の払拭を図りつつ、議論を深めることが求められる。

最終更新:7/14(土) 7:55
産経新聞

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