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桃・桜などに深刻な食害 クビアカツヤカミキリ、栃木県南西部で確認

7/14(土) 7:55配信

産経新聞

 ■拡大懸念 県、駆除呼びかけ

 国の特定外来生物に指定されたクビアカツヤカミキリの被害が、県南西部を中心に拡大の懸念を見せている。2年前、足利で初めて確認されて以降、佐野、栃木の計3市で見つかり、佐野の桃農家や桜並木に深刻な影響が出始めている。成虫の発生ピークを迎え、県はチラシを配布し、情報提供と徹底駆除を呼びかけている。 (川岸等)

 佐野市吾妻地区の佐野フルーツライン周辺には桃の果樹園農家27軒が集中し、カミキリの食害に頭を抱えている。「これが幼虫の食害跡です。死活問題なので全く困ったもので…」。JA佐野果樹部会長の小林靖明さん(64)は表情を曇らせた。桃の木には食害の穴が何カ所も開き、根元には排出された木くずと幼虫の糞(ふん)の塊があった。

 県の調査で昨年、桃の木179本で幼虫を確認。今夏の被害状況は調査中だが、小林部会長は「生産農家の半数以上が被害を受けているのでは」と話す。県は生産農家に、樹木への薬剤注入や、樹木にネットをかぶせ成虫を捕殺するなどの拡散防止を指導。今夏、佐野市内の桃農家などで成虫約200匹を捕獲し、特効薬の特定を急いでいる。

 県自然環境課などによると、県内では平成28年7月、足利市内で成虫1匹が確認され、昨年は佐野、足利両市で桃、スモモなどの農業被害があった。栃木市でも成虫2匹を発見。足利市では市民からの報告例が昨年17件、今年は既に30件以上と増え、同市の調査では、管理する公園など30カ所で桜50本が食害に遭い、被害が拡大していることが分かった。

 農作物と、公園・学校・道路などの桜の街路樹は各自治体の調査、対策が進みつつあるが、今後の課題として民地内の被害木対策が指摘されている。クビアカツヤカミキリの生態を研究する日大森林動物学研究室研究員の桐山哲(さとし)さん(32)は「被害木が放置されれば、完全防除は困難。行政、市民との統合的な協力態勢が不可欠だ」と指摘する。

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【用語解説】クビアカツヤカミキリ

 中国などが原産のカミキリムシ。成虫は体長3~4センチで、光沢のある黒色で赤い胸部が特徴。幼虫は樹木内を食い荒らし、6~8月ごろ、成虫として飛び立ち、産卵する。平成24年、愛知県で初めて見つかり、7都府県で確認されている。桜、桃などの樹木に大きな被害を与えることから、今年、特定外来生物に指定された。

最終更新:7/14(土) 7:55
産経新聞

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