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<東日本銀不正融資>超低金利の下、営業偏重で規範意識低下

7/13(金) 21:16配信

毎日新聞

 銀行融資を巡る不正行為がまた明らかになった。金融庁から13日、業務改善命令を受けた東日本銀行は、根拠が不明な手数料を取ったり、違法な融資を放置したりするなど、悪質な行為が広範囲で横行していた。超低金利で経営環境が厳しくなる中、収益確保の圧力を受けた銀行員による不祥事が相次いでおり、管理体制の整備が急務となっている。【坂井隆之、鳴海崇】

 「新規開拓の人員を強化したことで、内部管理体制の整備が十分でなかった。経営陣に責任がある」。処分後、東京都内で記者会見した東日本銀の酒井隆常務は、営業偏重の姿勢が不正の原因になったと認め、謝罪した。

 融資の際、根拠が不明な手数料を説明無しに取る不正は、83店中69店でまん延していた。支店長らが融資実績を上げるため実体のない営業所を通じて融資を行っていた事例では、約2年にわたって総額37億円もの融資が行われ、7億4500万円もの損失が銀行に生じていた。同様の不正は2003年にも発生していたが、再発を防げなかった。金融庁は「根本の原因の分析が不十分だったため再発した」と厳しく指摘する。

 16年4月に横浜銀行と経営統合した東日本銀は、横浜銀に規模で劣る分、「フェース・ツー・フェースの営業」を掲げ、競争の激しい東京エリアで中小企業への営業攻勢をかけていた。支店長らによる不正融資は、統合前後の15年から17年にかけて発生しており、新規顧客開拓の目標達成のための圧力の厳しさがうかがえる。東日本銀は営業部門に本部部門の2倍もの職員を振り向けており、酒井常務は「他行に比べても内部管理が弱かった原因」と認めた。

 銀行融資では、スルガ銀行(静岡県沼津市)でシェアハウス向けの巨額の不正融資が発覚。約1000人ものシェアハウス購入者が過剰融資を抱える深刻な事態に発展した。政府系金融機関の商工中金でも、国の制度融資を巡る大規模な不正が明らかになり、経営トップの辞任につながった。いずれも経営陣による目標達成圧力とずさんな審査体制が原因だった。東日本銀は「経営責任は今後検討し、改善計画で明らかにする」と説明しているが、金融庁幹部は「規範意識の欠如は深刻だ。抜本的な改善を求めたい」と指摘している。

最終更新:7/14(土) 0:09
毎日新聞