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<名古屋城>木造天守閣 文化庁の工事許可見通し立たず

7/13(金) 23:30配信

毎日新聞

 名古屋城天守閣の木造復元を巡り、名古屋市は13日、工事の前提となる石垣の調査結果と保全計画を7月下旬にも、文化庁に提出する方針を示した。この日の市の有識者会議では「調査が不十分」などと厳しい批判を受けたが、工期を優先し「見切り発車」する形だ。一方、同庁はこうした市の姿勢を疑問視し、工事許可の見通しは立たない。

 同庁は工事の条件として、名古屋城を特別史跡と位置付ける根拠である石垣の調査と保全計画を求めている。この日の「石垣部会」で、市は石垣の現況調査を報告。これに対し有識者から「石垣の劣化は著しく深刻な状況だ。『おおむね安定している』とする市の評価は承服しがたい」「工程ありきでなく、まずは追加調査と保全措置が必要だ」と厳しい声が相次いだ。

 市はこうした意見を付記した上で、今月下旬にも保全計画などを提出する方針。市は同庁の復元検討委員会による審議を経て、今秋に工事の許可を得たい考えだ。だが、同庁の担当者は毎日新聞の取材に「市と専門家の意見が一致しないままでは、審議すら難しいのではないか」との見解を示した。通常の史跡整備では歴史的価値を重視し、建物の復元よりも石垣の保全を優先するという。

 今秋の許可取得は極めて困難な情勢で、早くても来年5月ごろにずれ込む見通し。その場合でも工事期間を短縮し2022年末完成に変更はないよう計画を練り直すとみられるが、市内部には「工期自体を見直すべきだ」との意見も多い。【三上剛輝】

最終更新:7/13(金) 23:40
毎日新聞