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関ジャニ∞・渋谷すばる“最後”の日、7人が示した友情と答え

7/14(土) 8:40配信

オリコン

 年内でジャニーズ事務所を退所する渋谷すばるが、8日の『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)をもって、関ジャニ∞として最後のテレビ出演を終えた。そしてあす15日、渋谷のいない6人体制でのツアーが幕を開ける。実質的に、“関ジャニ∞の渋谷すばる”は、きょうが最後と言ってもいいだろう。連日のように放映された“渋谷ラスト”の番組で、歌で、彼らは何を思い、伝えたのか。“7人の関ジャニ∞”最後の日に寄せて、彼らのメッセージをひもときたい。

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■“渋谷ラスト”、リアルタイムでパフォーマンス見せた3日間

 答えはいつも、歌の中にある。

 あす7月15日、『GR8EST』ツアー初日、関ジャニ∞から“渋谷すばる”というボーカリストの名前が消える。7月に入ってから、関ジャニ∞が出演するテレビ番組では、“渋谷ラスト”の回が続き、とくに7月6日から8日までは、連日“生”で、リアルタイムで、彼らのパフォーマンスを観ることができた。

 6日の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)では、最後に自ら演奏し歌った「NOROSHI」で、テレビ朝日のスタジオが真っ赤に染まり、タモリから渋谷に渡された花束も赤い花でまとめられていた。“赤”は、渋谷のメンバーカラー。“生き様は己の心一つ”“全身全霊、前進、誇り高く”――。続く7日に放送された『関ジャニ∞クロニクル』(フジテレビ系)でも、人気企画“いきなりドッジ”の舞台となる部屋のインテリアに、赤が効果的に使われていて、渋谷が番組制作スタッフからも愛されていたことが伝わった。

■7人の血肉となった音楽で伝える、“旅立ち”への思い

 その渋谷最後の『クロニクル』には、彼の面白さが爆発するような仕掛けが随所に用意された。過去の名場面を彷彿させ、それをさらにバージョンアップさせるようなメンバーの暴走も見られた。すべての表現を、周りを巻き込んだ賑やかなお祭りへと昇華させるのは、彼らの得意技だ。渋谷への愛をメンバーの誰よりも隠さずアピールしてきた丸山隆平が、泣きそうになりながらその思いを素直に告白した後(それを近くで聞いていた安田章大が泣いていた)、音楽番組ではない『クロニクル』では珍しく“7人で演奏セヨ”という指令がぶち込まれた。安田のギター演奏で披露された、「Heavenly Psycho」。彼らが大事にしてきた初期の名曲で、10周年ライブの『十祭』では、カップリングランキングでファン投票1位にも選ばれている。“今は未来に向かう道の途中”という歌詞もまた、今の7人にピッタリで。自分たちに言い聞かせるように歌う7人の表情と歌声は澄み切って、仲間を思いやる優しさに溢れていた。

 どんなにふざけていても、ゲームの中でずる賢い部分をさらしていても、いざ歌うとなると、7人は一気に純粋になる。一瞬で心を一つにできる。∞(無限大)の可能性を秘めた彼らの表現にはいつも、“友情”と“真実”と“夢”と“希望”がある。だから、それを見た人は、“幸せ”と“笑顔”をもらえた。

 『THE MUSIC DAY』(日本テレビ系)で披露された「オモイダマ」も、あらためて聴くとそれが“勇気”と“旅立ち”の歌であることに気づかされる。『熱闘甲子園』(テレビ朝日系)のテーマソングだったとはいえ、決して勝者に向けた歌ではなく、自分に負けそうな人、傷ついた人、くじけそうになりながら前に進もうとする人に向けて歌った応援ソングだ。みんな一緒に踊って歌えるような“わちゃわちゃ感”が身上の「がむしゃら行進曲」でさえ、“進もう 答えはその先に”と、関ジャニ∞らしい明るさで、自分らしく生きることを諦めない人たちを応援してきた。バンドらしいアツいロックあり、アイドルらしい元気ソングあり、夢追い人のハングリーな曲から切ないラブソングまで。関ジャニ∞は、歌とともに生き、歌とともに成長してきた。彼らの歌は、演奏は、やがて彼らの血肉になった。

■ついに“見納め”の日、20年以上前のめぐり逢いに寄せて

 8日。ついに7人の関ジャニ∞が見納めになる日がやってきた。『関ジャム 完全燃SHOW』で“生”で披露されたのは、東京スカパラダイスオーケストラとコラボした「無責任ヒーロー」である。セッションで何より美しいのは、ミュージシャン同士のリスペクト感だが、まさに虹色楽団・関ジャニ∞のキラキラしたエネルギーと、存在そのものが“フェス”のようなスカパラの派手さと熟練のスキルと熱量とが、音の火花を散らし合い、特大の花火のような爆発的な楽しさを届けてくれた。

 7人最後の曲としてメンバーが選んだのは、「大阪ロマネスク」と「LIFE~目の前の向こうへ~」。「ロマネ」は、前述の『十祭』でファン投票のシングルランキング1位に輝いた曲だ。ライブでは大抵終盤かアンコールで披露され、大サビ担当の錦戸亮は「歌って!」と客席にマイクを向けることが多かったけれど、この日はその大サビを、丁寧に心を込めて歌っていた。“今日も誰かがめぐり逢う 遥か遥か西の街”――。そう、20年以上前、彼らは遥か西の街でめぐり逢った。

■錦戸の涙、大倉の笑顔、渋谷の叫び…最後の曲で示したそれぞれの友情

 続いて、「LIFE~目の前の向こうへ~」での魂の演奏へ――。これまでライブなどでほとんど涙を見せることのなかった錦戸が、途中で歌えなくなったこと。反対に、様々なツアーでオーラスのたびに涙を見せていた大倉忠義が満面の笑みで“あの日交わした約束をずっと覚えているから 涙堪えて”と歌い、渋谷に向けて手を伸ばしたこと。渋谷が、最後の最後に、「エイター」と叫んだこと。横山裕もまた、今にも泣き出しそうな顔をしながら、ぐっと涙をこらえていたこと。親友として誰よりも寂しいはずなのに、村上信五が最後まで司会としての役割を全うしたこと。ほんの数分の中に、様々なドラマがあった。渋谷は、最後まで泣かなかった。目を潤ませてはいたけれど、涙は流さなかった。

 “エイター”の名付け親として、ライブで誰よりも激しくファンに向けてその呼び名を叫ぶのは彼だった。どんなことでも全力でやる“アイドル”であることに誇りを持ちつつ、こと音楽に、ことライブに関しては、唯一無二のメインボーカル。エイターは、渋谷が歌う関ジャニ∞の“歌”を愛していたはずだ。彼こそが、関ジャニ∞というバンドのフロントマンであり、カリスマだった。そんな渋谷が、自分の意思でジャニーズ事務所を辞め、アイドルとしてではなく、いちミュージシャンとして生きることを決め、誰もが最終的には、彼の“勇気”をリスペクトした。7人の“友情”にしびれた。だから、リアルタイムでこの演奏を見届けたファンも、寂しかったけれど、悲しくはなかったはずだ。悔しくもなかったはずだ。渋谷すばるが、愛されて送り出されようとしていることが、誇らしくなったはずだ。

 この日の『関ジャム』の演奏には、ファン以外にもたくさんのミュージシャンや音楽関係者が感動のツイートを寄せていた。メインボーカルの脱退という大きな試練に立ち向かうことで、もしかしたら彼らは、あらためて世間に認めさせることができたのかもしれない。関ジャニ∞がミュージシャンとして“本物”であることを――。

■今後の関ジャニ∞を支える決意も、“赤”は途切れることなく

 でも7人でのドラマは、ここで終わらなかった。12日に更新された携帯・スマホ専用サイト『Johnny's web』のブログで渋谷は、最後の文章を『関ジャム』終了直後に綴っている。生放送が終わって最初にメールを送ったのは錦戸で、そこには今後の関ジャニ∞を引っ張る決意が書いてあったそうだ。音楽の要であった渋谷が抜け、演奏の要である安田は、まだ本調子には程遠い。かつては“気まずいコンビ”とも言われていた、関ジャニ∞でも一二を争う照れ屋な2人が、最後に見せた友情。友を失う寂しさを感じられるのも、“出会えた”という幸福あってこそ。あのとき錦戸が流した涙は、裏を返せば、出会えたことが嬉しくて流した涙と、同じ色で同じ輝きで、同じ温度で同じ味だったのではないだろうか。

 関ジャニ∞には、“涙”の歌がとても多い。悔し泣きも、笑い泣きも、嬉し泣きも、慟哭も嗚咽も。様々な場面で、彼らは涙を流してきた。でもだからこそ今、こんな気持ちを、慰め、励まし、労ってくれる関ジャニ∞の音楽が、たくさんある。安田は“赤”は血の色だと。自分たちの中にずっと流れている色だとしている。

 いつか、『ミュージックステーション』で、ソロアーティスト渋谷すばると、6人の関ジャニ∞が共演する日が来るかもしれない。そんなことを夢見た。
(文:菊地陽子)

最終更新:7/16(月) 5:25
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