ここから本文です

平成30年7月豪雨、災害派遣の舞台裏とは 陸自練馬駐屯地から部隊が出発するまで

7/13(金) 6:20配信

乗りものニュース

陸上自衛隊練馬駐屯地の長い夜

 2018年7月8日午後11時過ぎ、筆者(矢作真弓:軍事フォトジャーナリスト)は、東京都練馬区に所在する練馬駐屯地を訪れました。初夏の蒸し暑い夜中にも関らず、多くの隊員が駐屯地内で活動しています。実は、これから広島へ向けて災害派遣される部隊が、出発のための準備をしているということでした。

【写真】災害派遣の準備に追われる練馬駐屯地(写真58枚)

 陸上自衛隊の第1師団は、練馬駐屯地に司令部を置く部隊です。東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、静岡県、山梨県の防衛警備を担当する部隊で、首都東京を守る政経中枢師団とも呼ばれている部隊です。

 この第1師団に所属する第1後方支援連隊の部隊が、いままさに広島へ向かうための準備を行っていました。普段、見ることができない災害派遣準備の様子をお届けします。

 8日午後11時30分ごろ、第1後方支援連隊の倉庫前に次々と大型トラックが移動してきました。このトラックには、派遣される隊員たちの現地での生活に必要な装備品や、被災者のために使用される装備品などが次々と積み込まれていきます。

 テント、燃料、発電機、机やイスなど、多くの物品を手際よく荷台に積んでいきます。それと平行して、トラックの荷台の幌に「災害派遣」と書かれた横断幕が取り付けられていきます。この作業は3名1組で行われ、1名が下から上下左右のバランスを指示して、残る2名が幌の上に上って横断幕を取り付けます。

次々と積み込まれる物資 派遣隊員は健康チェックも実施

 駐屯地業務隊倉庫前では、係の隊員が、派遣される隊員用の飲料水を用意していました。1名あたり1日2リットルを基準に準備された飲料水の入ったダンボール。これも、大型トラックに積載されます。

 別の倉庫前では、増加食の準備が進められています。増加食とは駐屯地食堂や、戦闘糧食、非常用糧食とは別に用意される、過酷な任務などに就く隊員用の追加の食糧のことで、シリアルバーや、カップラーメン、ペットボトル飲料などが支給されます。

 これらの準備は、派遣される隊員ではなく、駐屯地に残留する隊員が作業しています。なぜならば、派遣される隊員たちは別のことをしなくてはならないからです。

 派遣される隊員たちは、いつ駐屯地に戻ってこられるかわからないので、多めの着替えや日用品、折りたたみベッド、寝袋などの現地で必要な物の準備をしなくてはなりません。また、出発前には簡単な問診票への記入や血圧測定を行って、派遣前の健康状態を確認します。そして、自らが運転するクルマの準備にも取り掛かります。

 ある程度の準備が終わると、残る作業は駐屯地残留隊員に任せて、派遣される隊員は別の場所に集められます。これから出発前の点呼が行われます。

 点呼では、炊事支援、入浴支援、給水支援班に分かれます。また、それらの部隊活動を支援する管理班も別に編成されます。各班への達し事項、そして自らが乗っていくクルマごとの乗車区分に分かれて整列します。

 ここでは、大まかな指示を伝達したあとに、次の集合時間を伝えて一旦解散させます。ここで、忘れ物などがないか最終的な確認を行うのです。

1/2ページ

あなたにおすすめの記事