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タバコフリーの五輪は実現するか? 東北大の全キャンパス全面禁煙に力を尽くした医師は語る

7/13(金) 11:12配信

BuzzFeed Japan

たばこが原因の呼吸器疾患の専門家で、東北大学の統括産業医でもある黒澤一さんのインタビュー後編。東北大の全キャンパス敷地内全面禁煙を実現した道のりと、2020年の五輪開催地となる東京都の受動喫煙防止条例について伺いました。
【BuzzFeed Japan Medical / 岩永直子】

東北大の全キャンパス敷地内全面禁煙、どう実現したか

(ところで、東北大の全面禁煙はどう実現したのですか?)

話せば長くなるのですが、元々東北大学病院の呼吸器内科で医者をやっていた私は、喫煙によって起こるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)を専門としていました。

2000年に大学の人事で福島労災病院に出まして、その時の新任挨拶を始めようとした瞬間に、一番前のテーブルに座っていた人がライターでたばこに火をつけたんです。当時は院内であっても吸えていた時代ですが、そこで何かのスイッチが入ってしまって、「まず院内を全面禁煙にします」と所信表明したんです。

みんなポカンとしていましたけれど、後ろの方でわーっと拍手が起きたのを見逃しませんでした。煙に悩まされている人はたくさんいたのだと思います。翌年には当時の院長はじめ、みなさんの同意を得ることができて、建物内禁煙になりました。

その時に、時間があったので思う存分禁煙の勉強をすることができました。2002年に再び大学に戻った時に、推薦されて大学病院の喫煙対策委員会の委員になりました。

この時、僕は東北大学病院を一気に建物内禁煙を飛び越えて敷地内禁煙にしようとしたのですが、職員にアンケートをとった結果、衝撃的なことに、喫煙者だけでなく非喫煙者からも反対の声が上がったんです。

「非喫煙者が喫煙者の権利を奪うのはやりすぎじゃないか」という声でした。非喫煙者に対する啓発も必要だったのです。コンセンサス不十分で時期尚早と断念し、その時は建物内禁煙で決着しました。

ところが、案の定、建物内禁煙にしたら、建物を一歩出たところで吸う人が出てきました。救急の出入り口でさえです。煙幕の中を救急搬送された人が入ってくる。それはさすがにまずいのではないかと、2006年には病院の敷地内禁煙を実現しました。

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最終更新:7/13(金) 11:12
BuzzFeed Japan