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<高校野球>大会直前に岩槻商エース大けがで涙もチームサポート 最後の夏終わり主将「あいつのおかげ」

7/13(金) 4:12配信

埼玉新聞

 (埼玉大会 第4日・2回戦)

 12日の市営大宮球場の岩槻商―大宮東戦。「自信を持ってプレーしろ」と左足をギプスで固めた岩槻商のエース長嶋豪投手(18)が守備から帰ってくるナインを温かく迎えていた。大会直前の6月23日に全治3カ月の大けがをした背番号1は「投げられない自分に何かできないか」と自問自答しながら、悲しい顔を見せずに明るく振る舞ってきた。チームのサポートに徹した最後の夏が終わった。

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 抽選会も終わり、初戦に向けた練習試合の最中だった。盗塁を仕掛けた後、立ち上がるときに左足をひねってしまった。試合を抜けて病院に行くと、医師から「ギプス4週間、全治3カ月」を告げられた。大会には出られないことがはっきりすると、「みんなに申し訳ない」と待合室で涙が止まらなかった。

 だが、落ち込んでいる暇はなかった。「(部員は)12人しかいないんだ。自分にできることはまだ残っている」と、雑用を率先してこなし、自分の代わりに投げる1年生の大槻駿也投手(15)には「周りをよく見て。楽しんでやれば大丈夫だ」とアドバイス。限られた時間の中で伝えられることは伝えた。

 8日の初戦を逆転で飾り、迎えた2回戦は甲子園出場経験のある大宮東。チームは一回に2点を先制されたものの、三回に追い付く接戦を演じた。五回に1点を勝ちこされ、六回1死二、三塁のピンチのマウンドには大槻投手が立っている。「できることなら代わってやりたかった」と長嶋投手。連打を浴びて右翼手に代わった大槻投手には「しっかり腕は振れていたぞ。今度は切り替えてしっかり守備な」と優しく声を掛けた。

 試合は八回コールド負けしたが、序盤の好投が光った大槻投手は「豪さんの分までしっかり投げようと思っていた。アドバイスを思い出しながら投げた」という。1年生の頃から一緒にスタメンでプレーしてきた青木優介主将(17)は「最後は一緒にグラウンドに立ちたかった。でも、あいつが腐らずにサポートしてくれたおかげでここまでこれた」と感謝していた。

 千田祐平監督(34)から試合後、「本当に感謝している。長嶋をもう一度試合に出せなかったことだけに悔いが残っている」とねぎらいの言葉ももらった。マウンドに一度も立つことなく終わった夏に悔しさはもちろんあるが、できることはやり切った。「久しぶりに夏1勝したチームの一員になれて良かった。本当は自分が投げて勝ちたかったけれど」と笑顔を見せたその顔は晴れ晴れとしていた。

最終更新:7/13(金) 4:12
埼玉新聞

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