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農業大開発の新種トウモロコシ、地元農民に盗まれる 湖南

7/13(金) 18:40配信

東方新報

【東方新報】7日午後4時ごろ、中国・湖南省(Hunan)の湖南農業大学(Hunan Agricultural University)瀏陽(Liuyang)教育実習基地から、農民が実習基地内でトウモロコシを盗んでいるとの通報が瀏陽市沿溪派出所にあった。

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 荒らされた試験畑は、全トウモロコシ試験畑の30%を占め、容疑者4人はいずれも基地周辺の農民で60~80歳の女性で、調べを受けている。

 同大の学生は先ごろ、瀏陽実習基地で試験栽培していたトウモロコシや綿花などの新種が当地の農民に盗まれた、とインターネットで発信した。

 同基地の教師の話では、今回盗難被害に遭った作物で最もひどかったのは、認可済みのトウモロコシの新品種で、いったん市場に流れてしてしまえば、損失は1千万元(約1億7千万円)に上るおそれがあるという。

 湖南省沿溪鎮(Yanxi)の関係機関は9日、容疑者4人がすでに法に基づき調査を受けており、盗んだ農産品を返還させる手配を進めていると発表した。

 ■収穫直前のトウモロコシ畑約330平方メートル、ほとんど平らに

 実習基地は、湖南農業大学が瀏陽で設立した試験基地で、敷地面積約53万平方メートル。主な栽培品種はとトウモロコシ、イネ、綿花、落花生などで、大学教員と学生が研究するためのものだと同大の陳先生は語る。

 今回の盗難で被害が一番大きかったのは、政府から認可を得たばかりの新種のトウモロコシで、全部で約1330平方メートル栽培していた。収穫まであと10日ほどだったのに、約330平方メートル分が根こそぎ盗られて、一本も残っていなかったという。このほか、学校で5月に植えたばかりの綿花の苗もほとんど持って行かれたという。

 湖南農業大学では11年から、科学研究のための農作物の栽培を行っており、これまでにも盗難事件はかなりの頻度で発生してはいたが、今回ほどひどい事件は初めてだという。

 今回は、農民らがバイクと三輪車で来て、麻袋に入れてごっそり持って行った。

 盗難防止のため、学校は基地の周辺で防護柵代わりに植物を栽培し、学生を巡回させるとともに監視カメラを設置した。今月は、ちょうど学校の試験と重なり、学生たちがこの基地に巡回に来る時間がなかった。監視カメラも、跡形もなくなっていたという。

 ■盗まれたトウモロコシ、市場に流出すれば損失は1千万元にも

 陳先生は、「農民に盗まれたトウモロコシの品種はすでに湖南省農業委員会の審査・認可が通っており、学校としてはちょうど品種の保護権の申請を行っていたところだった」と話す。

「品種の保護権はまだ取得できていない状況で、この品種が保護権を取得する前に拡散してしまえば、損失は計り知れない。2009年に行われたトウモロコシの落札価格は500万元(約8340万円)だったので、あれから10年経った現在では、新品種が流出すればその損失は1000万元(約1億6700万円)にはなる」と話す。

 ■地元政府は村民に返還するよう説得

 陳先生は、「盗難に遭った日、通報して警察が到着した時には、農民らは皆、電動自転車やバイクなどで逃げ去っており、残っていたのは80歳を過ぎた老婆だけだった」と振り返る。

 事件発生後、地元の村役場は村民会議を開き、盗んだ農作物などを返還するよう命じた。現在、盗まれたトウモロコシ約100本が返還され、市場に流入した形跡はないという。

 陳先生は「今後、学校として基地の管理強化をしていく。基地の周囲に防護柵を設け、監視カメラを増やし、品種保護権の申請を早めて法的側面からも知的財産権を保護していきたい」と語った。(c)東方新報/AFPBB News

※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。

最終更新:7/13(金) 18:40
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