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引退後ブルペン捕手になった元日本ハム投手の植村祐介さん「大谷の球を受けるのは怖かった」

7/14(土) 11:01配信

東スポWeb

【裏方で奮闘する元選手】プロの投手が引退後に打撃投手に就任するのは珍しくない。だが、元投手が引退後に「捕手」になるケースはまれだろう。そんな異色の裏方が日本ハムにいる。今季からブルペン捕手としてチームを支える植村祐介さん(30)だ。北海道・北照高時代にはチームのエースとして活躍。地元では「ライバル」として駒大苫小牧の田中将大(現ヤンキース)と切磋琢磨した。2006年のプロ入り後は故障にも悩まされ13年に現役引退。以後は打撃投手として自らの経験を生かせる裏方として新たな人生を歩み始めていた。転機が訪れたのは16年オフ。球団職員からの思いがけないひと言だった。「ブルペン捕手が不足している。来季から打撃投手兼務でやってくれないか」

 チームを陰で支える仕事に誇りを持ち始めていた元右腕は「これもチームのため」と球団側の要請を快諾した。それでも一抹の不安が拭い切れなかった。

「元プロですから投手の球を受けることはできます。ただ、問題はそのレベル。単にミットを構えて捕るだけではないですし、ブルペンでは違和感なく投手に投げてもらわないといけない。ワンバウンドや悪送球に対応する技術も必要です。僕はそれまで一度も捕手をやったことがなかったので『どうすればいいのか』と悩みました」

 不安を解消するには練習するしかなかった。

 自主トレ中の選手の邪魔をしないよう毎朝午前6時前に二軍施設に到着。誰もいない屋内練習場の扉を開けるのが日課になった。そこから黙々と1時間。投球マシンを相手に何度も捕球を繰り返した。選手が引き揚げた夕方以降も植村さんには技術を磨く大切な時間。捕球動作を撮影したりミット音を確認したり。信頼されるブルペン捕手になるため、人知れず技術向上に努めた。

 努力は人を成長させる。17年シーズン中盤にはそのかいもあり、大谷翔平(現エンゼルス)や有原航平らチームの一線級投手の女房役もこなせるようになった。周囲もその仕事ぶりを認め、今季からは正式にブルペン捕手に就任。本人も未知だった裏方稼業への手応えをつかみ始めている。

「正直なところ、翔平の球をブルペンで受けるのは怖かったです。最初からいきなり全力で来る時もあれば、力を抜いて投げてきたりと難しかったので。有原のストレートも伸びがすごい。受ける側としては大変です。でも個人的にはいろいろな角度からチームに貢献したいので今はすごく仕事が楽しい。元投手という型にはまらず、今後も選手に頼られる存在でい続けたいですね」

 シーズン中は二軍施設で投手の球速チェックを含め他の業務も積極的に行う植村さん。サポート役に徹する元右腕は新たな職で輝き続ける。

最終更新:7/14(土) 11:03
東スポWeb

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