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防潮堤用土砂、ストックヤードに搬入ゼロ 御前崎港

7/14(土) 7:21配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 静岡県が防潮堤整備に使う土砂を一時保管するため、御前崎港に建設した「ストックヤード」に、2018年度になって1度も土砂が搬入されず、今後も入る見通しが立っていないことが13日までに、関係者への取材で分かった。首都圏の公共工事で発生する土砂を見込んでいたが、工事の遅れなどが影響しているといい、長期化すれば、県内の防潮堤事業に遅れが出る懸念もあるという。

 県は17年12月、国土交通省関東地方整備局などと土砂の有効活用に関する協定を締結した。首都圏の道路整備などの公共事業で出る土砂を、浜松市や中東遠地域など県西部地区の防潮堤工事に使うことを想定し、18、19年度の2年間、土砂を受け入れる取り決めだ。ところが、土砂はいまだに運び込まれていない。20年の東京五輪・パラリンピックを控えて人件費や資材が高騰する中、土砂の安定的な確保も緊急の課題になっている。

 県河川砂防局によると、ストックヤードは17年度に整備を始め、18年度当初から土砂が搬入されても困らない準備を整えた。担当者は土砂搬入の遅れについて「国からは工事の進捗(しんちょく)の関係とだけ言われている。いつ入ってくるのか分からない」と困惑する。

 首都圏で発生した土砂は御前崎港まで海上輸送され、ストックヤードに一時保管した後、防潮堤整備の現場へ陸送する。輸送費用は同整備局などが全額負担し、防潮堤を整備する県や市は無償で土砂を確保できる。県は18年度当初予算に関連経費約20億円を計上したが、ほとんど輸送費用で県費での負担はないという。

 ただ、県は出入りする土砂の量を調整する役割を担い、運搬車両の手配や地元調整に一定の時間を要する。担当者は「国とは定期的に情報共有しているが、最低でも土砂が入る3カ月前には伝えて来てほしい」と求めた。



 ■浜松は55%完成 中東遠、進展遅く 防潮堤整備

 県と浜松市が遠州灘沿岸に整備中の防潮堤は5月末現在、全長17・5キロの55%に当たる9・7キロで、高さ13メートルの本体工事が完成。残る7・8キロも、5・7キロの区間で整備が進む。最大津波高が13メートルを超えると想定される一部区間を、14~15メートルにかさ上げする工事にも着手し、2019年度末の工事完了を目指す。

 磐田、袋井、掛川、御前崎各市の中東遠地区の防潮堤整備は県と市が共同で行い、全長27キロの防潮堤が計画されている。18年3月末現在、完成したのは2・5キロにとどまる。計画では、18年度中に完成予定の御前崎市を除く3市は11~16年後の完成を見込む。

 県交通基盤部幹部はストックヤードへの土砂搬入遅れについて「防潮堤の工期に間に合うよう努力する。今後も遅れるようなら、(ストックヤードを使わず)ほかの土砂を確保したい」と説明した。

静岡新聞社