ここから本文です

その作り置きカレー、大丈夫? 夏に急増「細菌性食中毒」

7/14(土) 13:00配信

神戸新聞NEXT

 カンピロバクター、サルモネラ、ウェルシュ菌-。一度は耳にしたことがあるこれらの名は、食中毒の原因となる細菌の名称だ。菌は35度前後で繁殖しやすいため夏場に発症者が増える傾向にあり、この時期は特に注意が必要となる。西日本豪雨による避難所生活が長引く地域でも食中毒の発生は懸念され、食材をしっかりと加熱したり煮込み料理を冷蔵庫で保管したりして予防を心掛けたい。(田中宏樹)

【グラフ】細菌性食中毒の患者数月別推移

 鶏肉に付いていることが多いカンピロバクターは、夏に発症者が増える細菌の一つ。厚生労働省の統計によると、昨年はこの細菌が原因の食中毒が320件あり、患者数はノロウイルスに次いで多い2315人だった。

 生の鶏肉を切った包丁やまな板で生野菜など別の食材を調理すると、菌が移り体内に取り込まれる。加熱することで菌は死滅するといい、兵庫県生活衛生課の食品安全官・源田健さん(54)は「夏はバーベキューの機会も増えるが、十分に加熱されていない鶏肉を『われ先に』と食べるのはやめてほしい」と強調する。

 一方、熱に強いのがウェルシュ菌だ。酸素のない環境を好み、100度の熱でも1~6時間耐えられるのが特徴で、カレーなどを煮込んだ鍋の底で増殖する。

 消費者庁は6月の大阪府北部地震や今回の豪雨を受けて「災害現場で被災者に炊き出しをする際にカレーなどを作る場合は注意が必要」と指摘した。10度以下で繁殖を抑えられるため、家庭では、料理を常温ではなく冷蔵庫で保管するように心掛けたい。

 サルモネラは卵に潜むことがあり、割ってかき混ぜた状態のまま常温で放置すると菌が爆発的に増える。加熱が有効な予防策で、源田さんは「大量の卵を扱う飲食店など業者は特に気を配ってほしい」と話す。

 では、実際に発症してしまったらどうすればいいだろうか。

 神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市中央区)感染症科医長の土井朝子医師(43)によると、細菌性食中毒の症状は腹痛や下痢、嘔吐(おうと)が中心。喉の痛みやせきはなく、ウェルシュ菌などが原因だと発熱もほとんどないという。発症すれば脱水を防ぐため、スポーツドリンクや経口補水液などを少しずつでも飲む必要がある。

 細菌性食中毒は空気感染しないといい、同病院感染症看護専門看護師の新改(しんかい)法子さん(47)は「もし発症した場合はせっけんを使って入念に手を洗い、タオルは家族用と分けて準備した方がいい」と説明。家庭での感染拡大を防ぐため、「子どもが発症したら、親は箸や食器を一緒に使わないで」と呼び掛けた。

最終更新:7/14(土) 15:26
神戸新聞NEXT