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都市にも潜む水害の恐怖 専門家はターミナル駅の盲点を指摘

7/14(土) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 近畿から九州まで広範囲に大雨特別警報が出されてから、13日で1週間。平成に入って最悪の被害をもたらした西日本豪雨による死者は14府県200人を超え、15府県でおよそ7000人がなお避難生活を余儀なくされている。土砂崩れや河川氾濫の被害を受けた地域ではライフラインやインフラ復旧が進まず、生活再建のメドも立たないが、山間部特有の被災だと見たら大間違いだ。水害の恐怖は開発された都市部にも潜む。とりわけ危ないのが、人の流れを集めるターミナル駅周辺だ。

 立命館大学環太平洋文明研究センター教授の高橋学氏(災害リスクマネジメント)はこう言う。

「鉄道を敷き、駅を造るにはまとまった用地や取得費用が必要です。広大な用地買収を低コストで実現するために鉄道駅は既存の集落、あるいは住宅街から離れた土地、人があまり住まない安価な土地に立地するケースが珍しくない。つまり、多くの駅が自然条件の悪い土地に立っているのです」

 首都圏の主要駅では東京駅、上野駅、品川駅。関東以西では名古屋駅、京都駅、新大阪駅、大阪駅、博多駅がそれに該当するという。

■“駅ウラ”はさらに危険

 国交省がまとめた「洪水ハザードマップ」を見れば、その危険性は一目瞭然だ。埼玉の奥秩父から東京湾に注ぐ荒川が氾濫した場合の「洪水浸水想定地域」では、東京駅が0.3メートル未満、上野駅は1.0~3.0メートルの水深を予測。大阪中心部を流れる淀川の氾濫では、新大阪駅や大阪駅が1・0~3・0メートル、名古屋駅も市北部を流れる庄内川の氾濫で、1.0~3.0メートルの水深が見込まれている。現実になれば、水没レベルの被害になるだろう。

「より危険なのは、いわゆる“駅ウラ”です。駅は住宅街側に正面を向けるので、その反対側に当たる“駅ウラ”はさらに土地条件で劣る。ただ、最近は改札口を2階以上の高層に上げたり、地下に潜らせる再開発が進み、“表裏”が分かりにくくなっています」(高橋学氏)

 外出中に災害に見舞われ、移動手段が奪われたら、どうしてもターミナル駅に足が向かってしまうが、細心の注意が必要だ。