ここから本文です

【決勝戦展望】武田修宏氏「怪物エムバペに加え強力ボランチ…フランス圧勝も」

7/14(土) 16:45配信

東スポWeb

 復権か、それとも新チャンピオンの誕生か。熱戦の連続だったロシアW杯も残すは3位決定戦と決勝の2試合となった。注目の決勝のカードは、20年ぶり2度目の優勝を狙うフランスと史上9か国目の王者を目指すクロアチアの顔合わせ。現代サッカーのすべてが凝縮される究極の試合になることは必至だが、元日本代表FWで本紙評論家の武田修宏氏(51)はどんな展開を予想しているのか。ファイナルの雰囲気が生み出す意外な結末とは――。

【武田修宏の直言!!】まだ3位決定戦と決勝が残っているけど、今回のW杯を見て実感しているのは、サッカーのトレンドの移り変わりは速いということだね。スペインやドイツがやってきたボールを保持するサッカーは、ダイナミックにゴールに迫るスピーディーなスタイルに勝てなくなった。強力な「個」で何とか打開できていた時代は終わり、洗練された組織のもとで個人が技術を発揮するチームが勝つ時代になっている。

 決勝はフランスとクロアチアの顔合わせになったね。大会開幕日に優勝予想をさせてもらった際に推したフランスは近年、U―22欧州選手権など世代別の大会で実績を残しているように、若手の育成がうまくいっている。それはイングランドも同じ。クロアチアとベルギーも数年前に世代別の代表で結果を出した「黄金世代」が順調に力をつけてきた。だから4強の顔ぶれも偶然ではなく、必然だったと思う。

 若くて勢いがあるフランスと、熟練されたクロアチア。もしこの2チームが同じ条件で戦えるならほぼ互角、もしくは経験面でクロアチアに分があると思うんだけど、今回は日程と疲労度という面でフランスが有利なのは間違いない。決勝Tに入ってから全て90分で決着をつけ、準決勝から中4日で迎えられるフランスに対し、クロアチアは決勝Tで史上初の3試合連続延長戦を戦ってからの中3日。実力が拮抗していればいるほど、日程のギャップは勝敗を大きく左右する要素だよ。

 今のフランスを支えるのは、ポール・ポグバ(25=マンチェスター・ユナイテッド)とヌゴロ・カンテ(27=チェルシー)のボランチ(守備的MF)。豊富なスタミナで走り回り、相手の攻撃の芽を摘む。危機察知能力に優れているから簡単に中央を突破されないし、強さと高さも兼ね備える。20年前に優勝した時も、現監督のディディエ・デシャンの控えにパトリック・ビエラという規格外のボランチがいた。今回はそんな選手が2人もいるというイメージだよ。

 19歳のFWキリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)という怪物に注目が集まる。それを生かすのはFWアントワヌ・グリーズマン(27=アトレチコ・マドリード)。左足のキックの精度は抜群で、セットプレーでも流れからでもチャンスがつくれる。開幕したころはチームになっていない感じもあったけど、デシャン監督がうまくまとめた。監督のカリスマ性というのも大きな武器だよ。

 クロアチアは司令塔のMFルカ・モドリッチ(32=レアル・マドリード)とMFイバン・ラキティッチ(30=バルセロナ)がフランスのボランチを攻略できるかにかかるけど、疲労が残る状態では難しいだろうね。準決勝のヒーロー、FWマリオ・マンジュキッチ(32=ユベントス)も、フランスのセンターバック、DFサミュエル・ウンティティ(24=バルセロナ)とDFラファエル・バラン(25=レアル・マドリード)を突破するのは簡単じゃない。

 決勝の緊迫感は1点勝負の空気をつくるけど、先にフランスが点を取るようだと3―0とかワンサイドになる可能性もある。クロアチアが勝つなら延長戦に持ち込むパターンかな。体力的にはきついけど、今大会延長戦をやっていないフランスが隙を見せるとしたら持久戦。どちらにしても王者決定戦にふさわしい攻防が見たいね。

☆武田修宏:たけだ のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)から1986年に読売クラブ(現東京V)入り。ルーキーながら11得点を挙げ、リーグVに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、千葉などでプレー。2000年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。2001年に東京Vに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時代も含めれば152得点を挙げた。1987年に日本代表に選出。1993年米国W杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。

最終更新:7/14(土) 16:48
東スポWeb