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九州学院、無得点で幕 東海大星翔の好投に苦戦

7/14(土) 8:07配信

朝日新聞デジタル

 結果を残してきたシード校でも、夏を勝ち上がるのは難しい。優勝候補と言われた実力校の主将は言った。「勝たないといけなかった」。プレッシャーは選手の味方にも敵にもなる。

【写真】九州学院の田尻裕昌投手(3年)=県営八代


■「優勝しないと」口癖のように 九州学院・田尻裕昌投手

 九回表1死一塁、第2シードの強豪、九州学院は失策が絡むなどして失った3点を追う苦しい展開にあった。打線は東海大星翔の好投手の前に苦戦し、無得点のままだった。

 エース田尻裕昌(3年)は、これ以上点を与えられない窮地にいた。直前に、相手打者がフェンスぎりぎりに運んだ球を、1年生の中堅手牛島希が体をはってキャッチした。牛島は顔面などを強打し、担架で運ばれた。田尻は「ナイスキャッチ。ありがとう」そう言ってマウンドに戻った。

 このとき、田尻も足がつっていた。試合中につるのは、初めてだった。ただ、1年生がけがをしてまでプレーしている。「足つってる場合じゃない」。そう思って、そのそぶりをできるだけ見せないようにしていた。中断明けの4球目、インコースの直球は、少し真ん中に寄り、適時二塁打を打たれた。

 昨夏もエースを務めた田尻。大舞台の経験は十分だが、今年の重圧は段違いだった。昨夏は、捕手で主将の村上宗隆(現・ヤクルトスワローズ)を信じて投げるから大丈夫と思えたが、今年は自分が主将でエース。前年の準優勝校で、第2シードとして臨んでいた。

 昨秋と春の県大会でも準優勝だったこともあり、大会前、口癖のように田尻は話していた。「自分たちが1番悔しい思いをしてきている」「優勝しないといけない」

 九回裏、田尻はベンチから身を乗り出しながらも、少しうつむきがちに試合を見つめていた。「みんなが点を取ってくれる」。そう信じていたが、打者は3人で倒れた。

 試合終了後、整列して戻ってきた選手たちに、田尻は拍手していた。仲間や、支えてきてくれた人たちへの感謝を感じていた。「頼りないキャプテンだけど、文句も言わずについてきてくれてありがとう。みんなを勝ちに導けなくて、本当に申し訳ない」。(杉山歩)

朝日新聞社

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