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<茶のしずく石鹸>福岡集団訴訟、企業側責任を認定の公算大

7/14(土) 10:28配信

毎日新聞

 洗顔用の「茶のしずく石鹸(せっけん)」の旧製品で小麦アレルギーを発症したとして、福岡県の女性らが販売元の「悠香」(同県大野城市)など3社を相手取り、1人当たり1500万円の損害賠償を求めた集団訴訟の判決が18日、福岡地裁で言い渡される。他の地裁に起こされた裁判で企業側の責任を認める判決が既に出ており、同様の判断が示される公算が大きい。

 福岡市の事務職員の女性(30)は2008年から茶のしずく石鹸を定期購入していた。顔全体が腫れ上がり、激しい腹痛に襲われたのは10年春。症状が治まらず、就職したばかりの衣料品販売店も辞めざるを得なかった。病院で石鹸によるアレルギーの可能性を指摘されたが、テレビコマーシャルも流れる知名度の高い商品だけに「まさかと思った」と振り返る。

 旧製品は04~10年に通信販売などで約4650万個を売り上げる一方、女性のようにアレルギー症状を起こす例が相次いだ。原告らは石鹸の原材料の小麦由来成分「グルパール19S」が原因として、12年4月以降、製造物責任法に基づき全国で相次ぎ提訴した。

 女性は今も小麦を含んだ食べ物を口にできず、外食に行く機会も減った。子供に離乳食を与える際の味見もできなかった。10年4月に悠香に症状を伝えたが、同社が自主回収を発表したのは11年5月。対応の遅れも被害を拡大させたと感じている。

 一連の裁判では、京都地裁が今年2月、石鹸の欠陥を認め、製造元の「フェニックス」(奈良県)に1人当たり最高99万円の賠償を命じた。東京地裁も6月、悠香とフェニックスに同じく最高250万円の賠償を命じている。弁護団によると、2社との和解も進み、全国で一時1300人超に膨らんだ原告は大幅に減り、211人いた福岡地裁でも、判決に至るのは約20人となる見通しだ。

 被告3社のうち、原材料メーカーの責任は京都、東京の両地裁も認めなかった。和解に応じず、最後まで原告として残った女性は「判決を二度と同じような被害を出さないための契機にしてほしい」と願う。【平川昌範】

最終更新:7/14(土) 10:28
毎日新聞