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<西日本豪雨>SNS威力 ボランティアや防犯に「人の輪」

7/14(土) 11:15配信

毎日新聞

 西日本豪雨で、被災者らの情報収集にソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が威力を発揮している。安否確認や給水車の行き先、防犯情報などやり取りされる内容はさまざま。災害時は通話回線よりつながりやすく、身近な情報を瞬時に共有できるSNSのメリットを生かし、「人の輪」で災害に立ち向かおうとしている。

 「友人の母が行方不明。誰か知りませんか」「焼き肉屋が無料で焼き肉を提供しています」「母の知人が2階を使っても構わないと言っています」

 大規模な浸水被害を受けた岡山県倉敷市真備(まび)町地区。スマートフォン(スマホ)の画面に、メッセージが次々に表示されていく。会社員の田村純也さん(34)が無料通信アプリ「LINE(ライン)」で作った「真備災害対策本部」というグループだ。「真備をなんとかせんとおえん(何とかしないといけない)」と呼び掛けたところ、上限の500人近くが集まった。田村さんは「リアルタイムで被災者のニーズを把握できる」と実感している。

 田村さんは真備町地区で生まれ育ち、現在は倉敷市内で離れて暮らす。7日未明の浸水後に友人と連絡が取れなくなり、同日夜に実家へ戻り、SNSを使った情報収集を始めた。当初は友人30人の情報共有が目的だったが、友人が友人を呼んで人数は急増した。

 手応えを感じ、白いシャツに「真備をなんとかせんとおえん」とペンで手書きした写真を撮り、「このシャツを見たら話しかけてください。どこにでも助けに行きます」というメッセージとともに掲載。すると、「友人の友人」らが同じようなシャツを着てボランティアを始めた。田村さんは「この輪を広げ、復興に向けて頑張りたい」と力を込めた。

 SNSを防犯に生かす住民もいる。岡山県内では、被災して無人になったコンビニ店のATM(現金自動受払機)から現金を盗もうとしたとして男らが逮捕される事件も起きた。真備町地区の40代女性のスマホには、子供が入る剣道クラブの保護者連絡用に作ったライングループを通じて「窓が割れている。みんなも警戒して」などのメッセージが届く。女性は「みんなが疑心暗鬼。情報共有でき、ほっとしている」と話す。

 一方、スマホなどを持たない高齢者らとの情報格差も起きている。「ボランティアの頼み方が分からない」と訴えるお年寄りもおり、避難所での掲示など文書や口頭で情報をどう行き渡らせるかが課題だ。【信田真由美、待鳥航志】

最終更新:7/14(土) 14:53
毎日新聞