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<海外贈賄疑惑>日本版司法取引を初適用 地検特捜部と企業

7/14(土) 11:22配信

毎日新聞

 タイでの発電所建設を巡って日本企業の社員が現地公務員に賄賂を渡したとされる疑惑が浮かび、東京地検特捜部と大手発電機器メーカー「三菱日立パワーシステムズ」(MHPS、横浜市)との間で、日本版「司法取引」(政府略称は合意制度)の合意が成立したことが関係者への取材で明らかになった。制度は先月導入されたばかりで、適用は初めてとみられる。

 関係者によると、合意した内容は、同社が自社社員の不正を認めて捜査に協力する代わりに、外国公務員に賄賂を渡すことを禁じた不正競争防止法について、特捜部が法人としての起訴を見送るものとされる。

 MHPSは2014年、三菱重工業と日立製作所の火力発電事業部門が統合し設立された。統合前の13年に、三菱重工業はタイでの発電所建設事業を受注。統合後の建設過程で社員らが現地公務員らから賄賂として現金を要求され、支払ったとする疑惑がある。MHPSは取材に対し「現時点でお知らせすることはない」とコメントしている。

 司法取引は、捜査段階などで他人の犯罪を明らかにする代わりに、自身の起訴の見送りや求刑の引き下げなどを受けられる。今回のように企業が社員の犯罪を認める代わりに、法人としての起訴の見送りなどを取引するケースもある。

 同じタイミングで導入された刑事免責は、他人の公判で証言を強いられる代わりに、証言内容を自身の公判で不利な証拠として扱われない制度。先月、東京地裁で初適用のケースが審理された。

 不正競争防止法が禁じる外国公務員への贈賄行為の法定刑は、違反した個人が5年以下の懲役か500万円以下の罰金。同法は「両罰規定」を定め、個人が業務で違反をした場合は法人も3億円以下の罰金を科される。【巽賢司、遠山和宏、金寿英】

最終更新:7/14(土) 12:04
毎日新聞

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