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中村紀洋先輩を越えたくて 不動の4番、次打者席で涙

7/14(土) 12:35配信

朝日新聞デジタル

 南・北大阪大会が再開し、球音が3日ぶりに戻ってきた。起死回生の満塁弾が飛び出した球場もあれば、連合チームが懸命に白球を追った球場も。球児たちの全力プレーが続く。

【写真】枚方なぎさ―大阪電通大 三回裏大阪電通大2死二塁、山田の中前安打で二塁走者上村が本塁をつくがタッチアウト。捕手山口=南港中央、遠藤隆史撮影


■「不動の4番」ノリ先輩追って 渋谷・大屋友勅君

 5点を追う九回表。4番打者の大屋友勅(とものり)君(3年)が、足を引きずりながら次打者席に入った。

 直前の守備で足がつり、歩くのも困難な状態だった。それでも「高校生活最後の打席かもしれない。絶対に打席に立つ」。しかし前の打者が外野フライに倒れ試合終了。その場に崩れ落ちた。

 上嶌伸次監督が「不動の4番」と信頼する。憧れの選手は、渋谷野球部OBで、プロ野球で404本塁打を放った中村紀洋さん(44)だ。

 学校のグラウンドにはいまも、中村さんの打球が校舎に当たらないよう作られた高さ10メートルほどの防球ネットが残る。「あのネットを越える当たりを打とうとずっと意識してきた」。長打力を磨き、高校通算で15本の本塁打を放ってきた。

 この試合でも強打者の片鱗(へんりん)は見せた。先頭打者の五回、追い込まれながら変化球をすくい上げて左中間を破る二塁打を放ち、唯一の得点の足がかりを作った。

 九回の攻撃。ベンチの仲間は「大屋までつなごう」と言ってくれたが、4度目の打席は回ってこなかった。大屋君は「最後に本塁打を打って、みんなに感謝を伝えたかった」。目を赤くして言葉を絞り出した。(遠藤隆史)

朝日新聞社

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