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<西日本豪雨>避難中に濁流…犠牲女性に住民「言葉出ない」

7/14(土) 12:10配信

毎日新聞

 土砂災害で多数の犠牲者が出た広島市安芸区・矢野東地区。死亡が確認された会社員、五反田奈美さん(40)は家族とともに車で避難中、濁流にのまれて帰らぬ人になった。「言葉が出ない」。残された家族を思い、住民や友人は悲しみに暮れた。

 捜索を行った広島県や住民らによると、五反田さん一家は6日夜、土砂災害の危険が高まったため、夫と小学生の長男、保育園児の長女と車で一緒に避難した。

 しかし途中の路上で濁流が押し寄せた。夫は停車して子供を安全な場所に連れて行ったが、五反田さんは間に合わずに流されたとみられる。五反田さんの遺体は離れた水路で見つかった。

 「運動会で子どもが迷子になった時は一緒に捜してくれた。優しい人」。同じ町内に住む主婦(36)は、五反田さんの人柄をしのぶ。おしゃれで、いつも落ち着いた様子だったのを覚えている。

 かつて五反田さんの勤め先の上司だった呉市の主婦、飯田恵美子さん(48)は「突然の別れがまだ信じられない」と声を落とした。

 普段は物静かだが、カラオケで歌謡曲「あの鐘を鳴らすのはあなた」を和田アキ子さんをまねて同僚を笑わせた。毎年の年賀状には子供の写真が大きく載っており、幸せそうな様子だったという。飯田さんは「電話をかけると奈美ちゃんが出てきてくれるような気がする」と話した。【畠山哲郎、小山美砂】

最終更新:7/14(土) 13:08
毎日新聞