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「相撲の常識を覆した」栃ノ心の破壊力 右足親指を痛め休場も再びの綱獲りチャンスに期待

7/14(土) 15:18配信

スポニチアネックス

 大相撲名古屋場所7日目、前日の玉鷲戦で右足親指を痛めた新大関・栃ノ心が休場した。横綱不在の中、2度目の優勝へと快進撃を続ける注目力士の離脱。残念だったのは相撲ファン以上に本人ではないだろうか。ただ、ここで無理をせずとも、近い将来に再び綱獲りチャンスが巡ってくるはずだ。それだけ栃ノ心の相撲の完成度は高い。それを物語る印象的な言葉があった。

 今場所3日目。新大関に完敗した松鳳山が支度部屋に戻ってくると、あきれた顔をして「相撲の常識が全て覆された」とぼやいた。覚醒した栃ノ心に真っ向勝負を挑み、一瞬にして懐に入る。自ら「天才的」と称する勝ちパターンに持ち込んだ。もろ差しで足を止めずに勝負を決めるつもりが、次の瞬間には予想もしていない展開が待っていた。

 「僕は高校から部活に入って、差して肘を張れば吊られない。“吊られないように腰を落とせ”って監督に言われたんです」。恩師の教えを守った防御策も、“人間クレーン”には通じない。「140キロでも、簡単に吊るんですからね。へへへ」。笑うしかなかった。

 一度は足をバタバタさせてクレーンからの脱出に成功したが、「引っこ抜かれましたよ。ズボンって」。芋掘りのような感覚で振り返る松鳳山。再び吊られた時には抵抗むなしく力尽き、「最近、特に栃ノ心の力がヤバイですね。腕の力じゃなくて、体の芯の力なんでしょうね。腕だけの力なら対応できますから」と脱帽した。

 稽古以外にジムでのトレーニングも主流となりつつあり、筋骨隆々の力士が増え続けている。中でも栃ノ心の筋力は“半端ない”らしい。技だけでは対応しきれない、その馬力。果たして対策はあるのだろうか。「次は、もうちょっと嫌らしことを考えますよ。もうちょっと」。相撲の常識を覆した男と雪辱に燃える松鳳山。次なる両者の対決が楽しみになってきた。(宗野 周介)

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