ここから本文です

(朝鮮日報日本語版) 【社説】北朝鮮称揚行事に会場を提供し祝辞を伝えたソウル市

7/14(土) 9:33配信

朝鮮日報日本語版

 北朝鮮の主張をそのまま代弁する左派系団体主催の行事にソウル市が会場を提供し、ソウル市長は映像を通じて祝辞を伝えた。「4・27南北首脳会談感想作公募展」と題されたこの行事は、平和イウム(続ける、の意)、韓国大学生進歩連合、民族和解協力汎(はん)国民協議会などの団体が共同で主催し、今月7日にソウル市庁大会議室で授賞式と受賞作品の発表会が行われた。受賞作の多くは北朝鮮の歴史観と体制を宣伝するものだった。たとえば随筆部門で優秀賞に選ばれた20代応募者の作品には「分断。李承晩(イ・スンマン)から全斗煥(チョン・ドゥファン)までの独裁は、米国と売国奴たちによる国政壟断(ろうだん、利益を独占すると)から始まった」と書かれていた。「金正恩(キム・ジョンウン)委員長が(首脳会談で)語られたお言葉は、まさに私が考えていた統一の姿」と書かれたものもあった。受賞者として出席した左派団体の代表は「米国は北核などを理由に統一を妨害している」と主張した。海外出張中だったソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長は「意義深い行事がソウル市庁で行われたことは非常に喜ばしい」とする祝辞を映像で伝えた。

 行事を主催した平和イウムなる団体は、かつて無許可で北朝鮮に渡り平壌で娘を出産した親北女性が役員を務め、韓国大学生進歩連合は2カ月前に米大使館前で韓米合同軍事演習の中断を求めるデモを行った反米団体だ。このことはソウル市職員の誰か1人でも関心を持っていれば簡単に把握できたはずだ。ところがソウル市は「政治性はないと思われたので会場を提供し、行事の趣旨も良いと考えたので朴市長が祝辞を送った」と説明している。これでは事実上の幇助(ほうじょ)と何ら変わりがない。

 受賞者の多くは10代と20代だった。映像部門の最優秀賞を受賞した2人の中学生が制作した映像には「統一韓国は核保有国」「米国とソ連が戦争して韓民族が分離された」などの台詞が入っている。韓国の子供たちにこのようなばかげた認識が植え付けられたのは一体誰の責任か。

 南北首脳会談以降、与党・共に民主党を中心とする政治勢力は北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長を称賛し続け、外交・安全保障政策を担当する部処(省庁)は北朝鮮報道官に成り下がっている。「韓国人の金正恩氏に対する信頼度は80%に達した」だとか、「韓国人は中国の習近平・国家主席や日本の安倍首相よりも金正恩氏を信頼している」などとする世論調査もあった。北朝鮮は住民を奴隷とし平気で殺害する集団だ。それがどういうわけか韓国社会では民主的な人権国家に変わってしまっている。