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西日本豪雨 ボランティア偏在の懸念も

7/14(土) 2:10配信

産経新聞

 西日本豪雨の被災地には14日からの3連休で全国から多くのボランティアが駆けつけることが予想される。復旧に向け支援は不可欠だが、被災地が県境を越え広範囲に点在していることや交通網の寸断もあり、当面はボランティアが特定地域に偏る懸念もある。過去の大規模災害でも同様の問題が発生、専門家は「被災地間で支援受け入れを広域的に調整する仕組みづくりが急務だ」と指摘する。

 13日、約45人が身を寄せる広島県東広島市の避難所「河内保健福祉センター」には各地から届いた支援物資が積み上げられていた。被災者が仕分けを手伝うが手が足りない。「ボランティアの力を借りたいが、十分な人数が来てくれるだろうか」。市の担当者は不安を口にする。

 ボランティアの力が注目されたのは平成7年の阪神大震災。1年で約137万人が集まり、「ボランティア元年」といわれた。

 ただ、マスコミなどで報道された特定の避難所に支援が集中する問題が発生。新潟県中越地震など災害が頻発した16年ごろからは社会福祉協議会を中心にボランティアセンターを開設し、ボランティアを振り分ける仕組みが定着した。

 それでも県境を越え複数自治体が被災する広域災害では限界が出てくる。23年の東日本大震災でもボランティアのバランスを調整する仕組みがなく、「支援偏在」が浮き彫りに。神戸市のボランティア団体「被災地NGO協働センター」顧問の村井雅清さん(67)は「現地でボランティア同士が『この地域なら支援に入れる』と情報交換し、活動する場所を決めていた」と振り返る。

 ■広域の人員調整を

 教訓をもとに、内閣府は今回、「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)」などと連携し、ボランティアらの受け入れを広域的に調整する「全国情報共有会議」を設立、被災地をインターネットでつなぎ、NPOやボランティア団体が効果的な支援活動ができるよう、必要な支援内容を横断的に共有する。17日には協議会が初会合を開き、各地のボランティアセンターとも連携して復旧状況に応じた人数調整にも生かす見通しだ。

 大きな被害を受けた広島県でも11日に「西日本豪雨災害支援ひろしまネットワーク会議」の会合を開催。被災者の生活再建や復興に向け、各団体の垣根を越えた連携を始めている。

 この連携は一過性のものにしてはならない。JVOADの栗田暢之代表理事(53)は「南海トラフなどに備え、普段から自治体と社協、ボランティア団体などの連携を深めておくことが重要」と指摘。兵庫県の外郭団体「ひょうごボランタリープラザ」の高橋守雄所長(69)は「ボランティアは焦らずに長期的な支援を考えて」と呼びかけた。

(井上浩平)

最終更新:7/14(土) 2:10
産経新聞