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西日本豪雨 災害時、首長のSNS活用広がる 「謎の爆発」も不安払拭

7/14(土) 14:07配信

産経新聞

 災害時に会員制交流サイト(SNS)を通じて住民に情報発信する地方自治体の首長が増えている。西日本豪雨でも、大雨が原因とみられる工場爆発が起きた岡山県総社(そうじゃ)市で、市長がSNSでいち早く状況を伝え、不安の払拭に一役買った。緊急情報の伝達に欠かせないツールとなったSNSだが、行政にとってはタイミングを誤れば逆に混乱を招く場合もあり、使っていない人との「情報格差」も課題となる。

 ■隕石?落雷?

 《爆発したのは朝日アルミ。火災は鎮圧しました》

 7日午前0時50分ごろ、総社市の片岡聡一市長が、自身のツイッターにこんな投稿を行った。約1時間半前、同市下原のアルミ工場が爆発。ネット上には爆発した瞬間の動画や、爆風でガラスが割れた店舗や民家の画像が次々とアップされ、《隕石(いんせき)?》《落雷か》と臆測が飛び交っていた。

 同市ではこのころ、断続的に激しい雨が降り続き、市全域に避難指示が出ていた。大雨のなかで起きた「謎の爆発」の経過をいち早く伝えたツイートは急速に拡散され、《先(ま)ずは鎮火で一安心》《デマや不安を抑えたファインプレー》などの書き込みが相次いだ。片岡市長はその後も、川の水位や避難情報、ボランティアの活動状況などを積極的に投稿した。

 爆発では周辺民家のガラスが割れて付近の住民十数人が軽傷を負った。岡山県警などは、近くを流れる川が氾濫し工場が浸水したことが影響しているとみて、詳しい原因を調べている。

 ■「検証必要」

 SNSの普及に伴い、自治体では公式ツイッターやフェイスブックなどで市民向けの情報発信を行っているが、最近では災害時などに市長や知事が、自身のSNSでいち早く発信する動きが目立つ。

 平成26年2月に関東甲信越を襲った大雪では、長野県佐久市の柳田清二市長が除雪されていない地域の情報をツイッターで市民から募り、話題に。28年4月の熊本地震では、熊本市の大西一史市長がツイッターでライフライン情報などを連日投稿した。

 今年6月に発生した大阪北部地震でも、大阪市の吉村洋文市長が発生直後から情報を発信した。発生当日に市内の全市立校を休校にすると決めた際、市教育委員会が正式に学校側へ周知前にツイッターで「全校休校」と発信。学校側や保護者からは「混乱した」との声も上がったが、吉村市長は「とにかく子供の安全を確保しようという判断だった」と強調した。

 東海大の内田理教授(災害情報学)は、「発信力のある首長が、一刻を争う場面で避難などの呼びかけをSNSで直接行う意義は大きい」と評価した上で「実際どのくらいの市民に情報が届き、行動に影響を与えたかの検証も必要」と指摘。公的機関である行政については「高齢者などSNSの情報に接しない人への速やかな伝達も課題。あらゆる手段で迅速な情報発信の体制を整備すべきだ」としている。

 (有年由貴子)

最終更新:7/14(土) 14:13
産経新聞

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