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決勝戦 ロースコアならクロアチアが有利…同国でプレー経験の大谷氏解説 W杯

7/14(土) 15:42配信

産経新聞

 「ロースコアなら(勝負勘に優れた)クロアチアが有利。彼らがいかに前半を耐えしのぐかがポイントになる」-。サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で日本時間16日午前0時から行われる決勝のフランス-クロアチア。2000年から01年にかけてクロアチアでプレーし、現在は四国リーグの高知ユナイテッドSCで監督を務める大谷武文氏(39)にクロアチアの特徴などについて聞いた。

 大谷氏は“黄金世代”と称される現在のクロアチア代表について、「(司令塔の)モドリッチをはじめ、欧州の第一線でプレーしている選手が多い。中でも中盤の選手は個人の技術が高く、史上最高の選手たちがそろっている」と評する。

 1998年W杯フランス大会で3位に入ったチームと比較されることも多いが、「昔と違って今の選手には自信がある」と大谷氏。同大会で得点王となったシュケル(現クロアチア連盟会長)ら当時の中心選手は国内でレジェンドとして扱われてきたが、国外のビッグクラブでプレーする選手が多くなるにつれて意識が変わってきたという。

 芽生えた自信が如実に表れたのが決勝トーナメントに入ってから3試合続けて延長戦を制した粘り強さ。「疲れているようにみえても突然ギアチェンジしたりする。したたかで、試合に勝てばいいという精神的な強さがある」と大谷氏。そのうえで、「体をぶつけて止めないといけない場面でしない選手は交代させられる。一緒に戦えない選手は同胞じゃないと判断され、信頼を失う。試合中に冗談を言ったり、ニヤニヤしたりするのは考えられない」とひたむきに勝利を求める特徴を挙げる。

 大谷氏が同国でプレーした当時は、1990年代の旧ユーゴスラビア内戦を経験した選手も多くいた。「銃声を聞いて育った選手もいたし、両親が巻き込まれた選手もいた」。現チームは戦後にサッカー選手となった世代だが、W杯をテレビ観戦した大谷氏は当時代表選手だったコーチがPK戦の前に選手たちに細かく指示を出している場面が印象に残ったという。

 「戦後、自分たちにできるのはサッカーしかない中で、彼らはお金を稼ぐために国外に出ていった。そういう苦難の歴史から生まれる誇りの高さは脈々と生き続けている」と大谷氏。W杯初優勝を果たせば、国中に大きなインパクトを与えるのは間違いない。(W杯取材班)

最終更新:7/14(土) 15:45
産経新聞