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球宴の指揮を執る鷹・工藤監督、「やり過ぎ」といわれるほどの気遣い

7/14(土) 15:00配信

サンケイスポーツ

 【球界ここだけの話】球宴と呼ばれるオールスターは文字通り、球界のお祭り。常連も初出場も「楽しい」と口をそろえ、リラックスした笑顔が印象的だ。「結果を気にしなくていい。ノープレッシャーです」。そんな談話が目立つ中、1人だけ、いや、2人だけは違う。6チームの一流選手を率いる監督は想像以上に大変な仕事だ。

 京セラドームでの第1戦で、全パの工藤公康監督(55)=ソフトバンク=が決めた先発メンバーは、単純にファン投票選出者を並べただけではなかった。「1番」から「3番」に打率・350前後のリーグ上位。注目は「4番」以降だ。大阪桐蔭高OBの中田(日本ハム)、浅村(西武)、森(西武)とPL学園高出身の今江(楽天)。そしてオリックスの吉田正と安達。すべて大阪に縁のある選手を選んだ。第2戦は震災からの復興を目指す熊本。熱心な支援を続けるソフトバンクナインは今季、雨天中止で公式戦を戦えなかった。「ホークスの選手はできるだけ熊本で」と話していた。

 「せっかく出るんだから、できるだけみんなが平等に、いい形で試合に出られるようにしたい」

 直前まで何度も再考した起用法には「やり過ぎ」といわれてもおかしくないほどの気遣いが込められている。事前に、自ら各球団のホームページをのぞいたという。プロフィルで出身地や経歴を確認。「ロッテさんなんか、趣味まで書いてあったから読んじゃったよ」。家族や親戚(しんせき)がどちらの試合を観戦するのかも確認しながら、29人の出番を決めた。

 監督推薦の選抜も「成績も人気も」と熱心に悩む姿が印象的だった。選手の体調やチーム事情も考え、各球団の監督に相談。いい返事をもらう度に、本当に喜んでいた。

 何よりも大切なのは、選手を無事に送り返すこと。第1戦の終了直後には吉田正(オリックス)を呼ぶと、脱帽して頭を下げた。唯一のフルイニング出場。試合中も「大丈夫か」と何度も確認したという。この日は球宴通算5試合目の指揮で「初勝利」のご褒美がもらえた指揮官。本当にご苦労さまです。(安藤理)