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甲子園第100回憧れ舞台へ 農業系高校球児 夏・躍動

7/14(土) 7:02配信

日本農業新聞

雪害農家に勇気 福井県立坂井高

 「コシヒカリ」の生みの親で、故・石墨慶一郎氏の出身地、福井県坂井市の県立坂井高校。農業系の「食農科学科」がある同校は、夏の甲子園連続出場を狙う。

 野球部の3年生で唯一、農業コースで学ぶのは舘成哲選手(17)。実家は兼業農家で、米やジャガイモ、タマネギなどを栽培する。農業を学べる野球強豪校として同校を選んだ。

 県外からの野球留学も受け入れる同校はメンバー争いが熾烈(しれつ)で、ベンチ入りはかなわなかった。現在は、トスバッティングの球出しや野手へのノックなどでチームを支える。

 同市は2月に発生した福井豪雪で、375棟の農業用ハウスが倒壊。現在も再建途上の農家が多い。「甲子園に出場すれば、地元農家を少しでも勇気付けられる」と、館さんは地域の思いも背負い、野球に没頭している。

実習・練習・・・汗 秋田県立金足農高

 11年ぶり6回目の夏の甲子園出場を狙う秋田市の県立金足農業高校。夏の大会の前哨戦となる春季県大会を19年ぶりに制覇し、県内では甲子園“最有力候補”との呼び声が高い。選手らは、家畜の飼育や農業土木の実習などに取り組みながら練習に励んでいる。

 大黒柱は、投打の中心で主将も務める3年の吉田輝星選手(17)。環境土木科で土地改良や農地保全などを学んでいる。最速147キロの直球と多彩な変化球を操り、18歳以下の高校日本代表候補に選出された逸材だ。吉田選手は「野球部の歴史を塗り替えたい。目標は甲子園ベスト4以上」と先を見据える。

 畜産を学ぶ生物資源科3年の高橋佑輔選手(17)は一塁を守る。学校では、主に鶏の飼育を担当。週2回のペースでバットをスコップに持ち替え、鶏舎の掃除や餌やりをする。畜産担当の近江広和教諭(46)は「嫌な顔一つせず、黙々と鶏舎の作業をする。生き物好きで優しい心の持ち主」と話す。

 高橋選手は思い切りの良い打撃が信条。「生物資源科の代表として頑張る」と力を込める。

 元農業高校球児も今大会に注目する。巨人に18年在籍し2017年に現役を退いた、新潟アルビレックスベースボールクラブ球団社長補佐の加藤健さん(37)だ。新潟県立新発田農業高校3年で甲子園出場を果たした「松坂世代」の一人。

 甲子園では1回戦で敗れたが、「同年代のトップ選手を見られ、わくわくした」と振り返る。農業高校球児に対し「野球からたくさんのことが学べる。目標をしっかり設定し、勝つ喜びも味わってほしい」。

最終更新:7/14(土) 7:02
日本農業新聞

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