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28歳、クリエイター。彼はある日、脳梗塞で倒れ言葉を失った。

7/14(土) 11:01配信

BuzzFeed Japan

吉祥寺駅から10分ほど歩いた場所、とあるデザイン事務所の2階にその男性はいた。

挨拶をすませた直後、彼が財布の中に入っていた硬貨を床に落としてしまう。拾おうとするが麻痺の残った右手がその邪魔をする。

その姿はまだ、彼の回復へ向けた闘いは終わっていないことを物語っている。【BuzzFeed Japan / 千葉雄登】

目の前の人が誰かはわかる。でも、名前が出てこない。レジで会計をしようとしても小銭の計算ができない。長文の文章は文字の形が崩れてしまって読むことも難しい。

時折、相手の質問と自分の答えが食い違い、ちぐはぐなやり取りとなる。考えていることと実際の言葉がつながらず、自分の思いを伝えられない場面も少なくない。

仕事に必要不可欠なパソコンも、発病当初は開くことすらできなかった。助けを借りて、ようやく開くと次はパスワードが思い出せない。

クリエイティブラボ・PARTYでデザインエンジニアとして働いていた城戸要地さん(28)の日常は、ある日を境に一変した。

突然の脳梗塞、目が覚めたら言葉が出なかった

脳梗塞で倒れたのは2017年6月17日、城戸さんは渋谷で友人とごはんを食べていた。お酒も少しだけ飲んだ。

その帰り道、頭に痛みを感じて突然道端に倒れこむ。すぐに救急搬送され、検査の結果、脳梗塞と診断された。救急搬送の様子を城戸さんは鮮明に記憶している。

「あ、これは脳梗塞だって搬送される救急車の中で思ったんですよ。でも医者や看護師さんは酔っ払って倒れただけなんじゃないかって最初は思っていたみたいです」

自分は脳梗塞だということを伝えたくても、その時にはもう言葉が出なかった。

城戸さんは失語症と診断された。高次脳機能障害も一部あり、いまも右半身に麻痺が残っている。

失語症の主な症状は脳の言語領域が脳梗塞や脳出血、外傷などによって傷つくことで言葉がうまく使えなくなるというものだ。

症状は人ぞれぞれだが、言葉が上手く話せない運動性失語、上手く聞くことができず理解をすることが難しい感覚性失語、その両方の全失語と大きくは3パターンに分類される。

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最終更新:7/14(土) 11:01
BuzzFeed Japan