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28歳、クリエイター。彼はある日、脳梗塞で倒れ言葉を失った。

2018/7/14(土) 11:01配信

BuzzFeed Japan

NPO法人全国失語症友の会連合会(現在のNPO法人失語症協議会)の調べによると失語症を発症した人のうち63%が働き盛りの20代~50代で発症している。社会へと復帰する際、元の職場に戻れるかどうかはケースバイケースだ。

言葉を上手く喋ることができない場合、数字の理解にも困難を抱えている場合が多い。そうした場合には事務職への復帰は難しい。

いかなるタイプの仕事にしても絶対的に必要なもの、それは職場の理解だ。

「生きている実感が出てこない」、絶望の淵から救い出してくれたのは友人だった

城戸さんはいまも言葉がつながらず、思っていることを伝えられないことがある。そこでインタビューには大学時代からの友人、有村皓さんにも同席していただいた。

音楽活動をするなかで知り合い、城戸さんとは10年来の付き合い。発病前は頻繁に飲んでいた仲だ。

城戸さんが言葉に詰まったとき、有村さんは「それは~ってこと?」「あのときは~だったよね」とフォローし、城戸さんが「そうそう!」と強く頷く。

城戸さんが倒れた当時、連絡がとれなくなった際もきっと仕事が忙しいのだろうと思っていたという。連絡がとれなくなることはそれまでも時々あった。

彼が失語症になったことを知ったのは、倒れてから3ヶ月経った2017年9月のこと。初めてお見舞いをした頃には10月になっていた。

発病当初は誰かと会える状況にはなく、家族と以前付き合っていた女性をはじめごく限られた人にだけ病状が伝えられていた。有村さんは当時を振り返る。

「あの頃は全然喋れないし、半身麻痺もだいぶ残っていて自力で立つこともできなかったんですよ。1人で部屋の中を動くこともできないし。言葉もいまは思ったことをすぐに口にすることができるけど、当時は15分~30分かけてようやく1センテンス言えるような状態でした」

それから8ヶ月、城戸さんは懸命にリハビリに取り組んできた。

2017年6月の発症直後、彼はあるメモを残している。そこにはこんな一言が記されていた。

「生きているけど実感が出てこない…言葉の働きそのものが破壊された」

何か1つというよりも、すべてが上手くいかなかった。それまで親密な関係にあった人の中にも、発病後離れていってしまった人もいる。

半身麻痺の身体は自分のもののようで、自分のものではない。大好きだった音楽を聴いても、犬の鳴き声のようにしか聴こえない。味覚の感じ方も変わってしまった。

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最終更新:2018/7/14(土) 11:01
BuzzFeed Japan

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