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インド最高裁、ハンセン病差別の法律撤廃を要請

7/14(土) 10:01配信

The Telegraph

【記者:Ben Farmer】
 インドの最高裁は7月初め、ハンセン病患者を隔離し、普通の社会から締め出すことを規定した植民地時代の複数の法律を廃止すべきだ、と表明した。これにより、ハンセン病に差別的な古い法律を廃止しようとする取り組みが、また一歩前進した。

 最高裁はまた、ハンセン病患者が国内で尊厳を持って暮らせるように全国的な啓蒙活動を行うことを求めた。

 活動家らは、これらの法律は1世紀以上も前に制定されたもので、何十年も前に治療法が確立している病気に対する昔から続く偏見を増幅させていると、批判している。このような法律は、連邦法と州法合わせて少なくとも119本あるという。

 インドでは、毎年10万人以上が新たにハンセン病に感染している。法律によってハンセン病患者が隔離され、仕事、旅行の他、教育を受けることを禁じられる可能性もある。また、ハンセン病が離婚の正当な理由として認められている。

 最高裁は、連邦および州政府に対し、法律の廃止と偏見を一掃するための啓蒙活動に関する行動計画を策定するよう呼び掛けた。裁判官は、「ハンセン病患者またはハンセン病から回復した人が、尊厳を持って生きる権利を有することは少しの疑いもない。社会はこのような患者などから人間性を奪うことはできない」と述べた。

 インドのハンセン病ミッション・トラスト(Leprosy Mission Trust)のニキタ・サラ(Nikita Sarah)氏は、テレグラフの日曜版サンデー・テレグラフ(Sunday Telegraph)の取材に対し、法律を廃止する最終決定はなされていないが、最高裁の表明は「非常に重要な節目となる」と指摘。「政府に対し啓蒙活動を行うことを求めており、これは非常に重要だ」と話した。

社会的烙印に苦しむ患者たち

 ハンセン病は進行性の細菌性疾患で、皮膚、神経、手足、目に一生後遺症が残ることもある。だが、何十年も前から、複数の薬を組み合わせた治療により完治できるようになっている。

 だが、インドの一部の地域では、いまだに神の呪いまたは過去の罪に対する罰と考えられている。伝染の恐れからも、感染者は隔離され、すべてを失う。

 このような偏見を変え、全国的な啓蒙活動により病気を無くすため、活動家らは著名人を起用しようとした。だが、一切の関りを拒否されたという。「スティグマ(社会的烙印〈らくいん〉)」のためだと、サラ氏は説明した。

 治癒できるにも関わらず、今でも残る多くの法律が、患者に烙印を押し、孤立させる。サラ氏は、実際には使われていない法律も多いが、まだ効力があることが差別を助長させていると指摘する。

 例えば、物乞いを禁じる法律では、ハンセン病患者が物乞いをしていた場合、隔離施設に入れると定めている。ハンセン病患者は要職に就いたり、大学や教育機関で働いたりすることを禁じられ、選挙に立候補することもできない。宗教施設に入ることもできず、宗教職に就くことも禁じられている。

 サラ氏は、「(人々は)ハンセン病だと診断されると、うつ病になる。ハンセン病を患い、うつ病も患い、社会的烙印とも闘わなければならない。ひどい差別だ」と述べた。【翻訳編集】AFPBB News

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最終更新:7/14(土) 10:01
The Telegraph