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都心の高速バスターミナルなぜ点在 初心者にわかりづらい現状、その歴史的背景

7/14(土) 7:20配信

乗りものニュース

点在する高速バス停留所、それぞれに歴史あり

 わが国の大都市では、高速バスの停留所がいくつかのターミナル駅周辺などに分散しています。東京でいえば、東京駅周辺の数か所のほか、浜松町、品川、大崎、渋谷、新宿、池袋、上野、秋葉原などに停留所があります。大阪でも、梅田となんばにそれぞれ数か所ある以外に、天王寺や京橋、新大阪などに分散しています。

【画像】八重洲口の新バスターミナルはここにできる

 比較的短距離の昼行路線については、中央道方面は新宿、東関東道や常磐道方面は東京駅という風に、方面別にある程度まとまっています(例外もあります)。しかし、長距離の夜行路線ではそのような傾向はありません。たとえば東京から青森県への路線では、行き先や運行事業者によって、東京駅(2か所)、浜松町、品川、新宿、上野とバラバラです。どうしてこうなったのでしょうか。ここでは、東京を例にして説明します。

 戦後、乗合(路線)バスは、各地域でひとつずつの会社に対して、国から事業免許が与えられました。地方の乗合バス事業者は、県をいくつかに分けた「生活圏」ごとに1社ずつ存在しますが、大都市周辺では、各社の事業エリアはもっと細分化されます。おおむね、山手線内とその東側は東京都交通局が、山手線の外側は、東急や京王など大手私鉄系のバス事業者が鉄道の沿線単位で事業免許を取得しました。

 1964(昭和39)年、名神高速が開通してわが国でも高速バス事業が開始されるにあたり、諸外国のように地域の乗合バスと幹線バスを別制度とはせず、高速バスは乗合バスの一部だとされました。前述のように乗合バスは地域独占的な免許制度でしたから、バス事業者は自由に高速バス路線を設定することができません。当時、高速バスの運行を認められた事業者は、以下の3つのパターンでした。

・事業エリアが隣接する乗合バス事業者どうしが「相互乗入」を行う場合
・当該路線沿線の各乗合バス事業者が共同出資し設立した「高速バス専業者」
・国鉄バス(現・ジェイアールバス関東など)

「相互乗入」は、一般道を走行していた新宿~富士五湖線を中央道経由に付け変えた京王帝都電鉄(現・京王バス東など)/富士山麓電鉄(現・富士急行など)が典型です(現在は共同運行化)。「専業者」は、東京~仙台などを運行する東北急行バス(東武鉄道や現在の宮城交通など沿線各事業者が出資。現在は東武の100%子会社)、東京~名古屋などを運行する東名急行バス(東急や名鉄など沿線事業者が出資。会社解散済み)が代表的と言えます。

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