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自宅被災の山陽新聞記者片付けルポ 疲労で焦るも知人の応援に感謝

7/14(土) 1:27配信

山陽新聞デジタル

 西日本豪雨から1週間がたった13日も、甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町地区では被災者が、浸水した家屋の片付けに追われた。炎天下、体力はいや応なく奪われ、疲労がたまっていく。一日も早い生活再建を願いながら作業を進めるが、なかなかはかどらず、気持ちは焦るばかり。「力を貸してください」―。被災した住民でもある記者が現地からルポする。

 自宅2階まで押し寄せた水がやっと引いた9日、自宅に妻と足を運んだ。玄関の引き戸を開けて中を恐る恐るのぞくと、めちゃくちゃな状態に胸がつぶれそうになった。

 水を吸って膨張した柱、ゆがんだ床板、横倒しになったグランドピアノ、泥をかぶったテレビにエアコンに電子レンジ…。室内は湿気が充満し、汚泥と油が混ざったような臭いが鼻を突く。

 「どこから手をつければいいのか」。リビングでしばらくぼうぜんと立ち尽くした。それから一つ一つ部屋を回ると、中学2年と小学6年の娘2人の教科書や思い出の写真のデータが詰まったハードディスクがあったが、どれも泥だらけ。全て失った―。そんな気持ちになった。この日は夕方までに財布や実印などの貴重品を探し当てるのが精いっぱいだった。

 10日からは連日、ありがたいことに友人や会社の同僚らが手伝いに駆け付けてくれた。冷蔵庫などの大きな物を外に出すことができ、心持ちが少し楽になった。そして、ごった返していた室内に搬出の通路ができたことで、家財道具を運びやすくなった。

 自宅から南へ300メートルほどの実家の片付けにも、知人やボランティアが応援に訪れてくれている。水をたっぷり含んだ畳は重く、大人の男4人で1枚を運ぶのがやっと。皆さんの協力で13日は50枚以上を運び出すことができた。

 近所では、まだ手つかずの家屋もある。実家の近隣は高齢者の世帯が多く、支援を得るためにはどう声を上げていいのか分からず、困り果てている人もいる。作業の終わりはまったく見えない。いつ終わるか想像もつかない。

 今は支えられる立場。支えてくれる人たちが周りにいてくれるだけで、めいりかけた心がほぐれる。

 西日本豪雨の被害は県内各地に及んでいる。被災者が前を向けるよう、支援の手を差し伸べてほしい。

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