ここから本文です

日本の青春映画の未来を示唆する秀作『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』

7/14(土) 8:40配信

dmenu映画

少女漫画やライトノベル、アニメなどを原作に、主に10代の恋愛模様を描いた、いわゆるキラキラ映画を中心に、青春映画は今年も定期的に作られ続けている。

一方、昨今のそれらの数の多さから、年配の映画ファンから「みんな同じに見えてしまう」「また漫画の映画化?」「何か観る気が起きない」といった声もよく聞かされる(もっとも、中には出来の良いものも多々あるだけに、それはちょっと勿体ない)。

そんな矢先、同じようにコミックを原作にしてはいるものの、それらの華やかで可愛らしい要素優先のものとは一線を画し、少女たちの友情と確執に胸が苦しくなるほど厳しくも慈愛深い眼を注いだ作品が登場した。

『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』

これこそ老若男女の映画ファンに、いや、日ごろ映画を観ない方にも大いにお勧めしたい、今年度屈指の青春映画の秀作である。

人前でしゃべれない少女とギター好きだが音痴の少女の友情

『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』は、従来のキラキラ系漫画原作ものとは大いに異なる魅力を携えた作品である。

何せ原作が、思春期の少年少女らの繊細な想いを独創的なタッチで描くことに長けた、押見修造の同名漫画だ。彼の世界を見聞きしたことのある向きなら、それだけで納得できるものがあることだろう。

主人公は高校1年生の志乃(南沙良)。彼女は人前でしゃべろうとするたびに言葉に詰まり、自分の名前すら上手く言うことができない。笑い者になるのを恐れて独りっきりの高校生活を送る志乃だったが、ひょんなことから同級生の加代(蒔田彩珠)と友達になっていく。

ギター好きだが音痴に悩む加代は、たまたま聞いた志乃の歌声に魅せられ、一緒にバンドを組んで文化祭に出ようと誘ったのだ。お互いコンプレックスを抱えつつも、そこから脱却し、新たな一歩を踏み出すべく、夏休みに入って練習を始めるふたり。

その中で志乃は少しずつではあるが、着実に加代としゃべれるようになっていき、同時に友情を深め合っていくのだが……。

1/2ページ

最終更新:7/14(土) 8:40
dmenu映画

Yahoo!ニュースからのお知らせ