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「九州のさかなクン」と亡くなった前館長との約束。有明海を生き返らせるために

7/14(土) 9:00配信

FNN PRIME

病で倒れた前館長の願い

町の小さな水族館の館長、小宮春平さん(20)。いつも研究熱心な小宮さんの姿に、ついたあだ名は「九州のさかなクン」だ。

グラフで分かる。有明海は今どうなってしまっているのか

「生き物がとにかく好きなんですよ。見たことのない生き物を捕まえる、探すというものがすごい好きで」

そう笑顔で語る小宮さんだが、悩みがある。

「今の状況は、環境がすごく悪くなってしまっている。ほんの10年前、20年前はいろんな生き物がいたのが、いなくなってしまった」

水族館に80種類以上いる生き物の多くは、小宮さんが有明海や近くの用水路で捕まえて来たもの。そのほとんどが、絶滅危惧種に指定されている。

有明海は、福岡、佐賀、長崎、熊本の4県にまたがる内海で流れ込む河川の数も多く、運ばれてきた土砂で日本最大級の干潟が形成されている。そこにはムツゴロウなどの珍しい干潟生物が多く生息しているほか、潮の干満差が大きく栄養も豊富なため、豊かな漁場としても知られている。

豊かな有明海を残したい―。それは病で倒れた前館長の願いだった。

「何よりも今残っている場所を守る」

環境省によると、有明海と八代海では、この海域固有の種や、ここを主な分布域とする大陸系遺存種が数多く確認されていて、それらの中には環境省レッドリスト(2015)に掲載されている種も複数みられるという。


定量的な推移のデータがある佐賀県内のムツゴロウの漁獲量を見ると、1960年代後半には150~200t あったのが、年々減少し、1982年には8t と急減。1983~1990年にかけては2~5t まで減少した。

ムツゴロウに関しては禁漁区の設定などの保護の運動が進み、佐賀県、福岡県及び熊本県海域で生息数の回復がみられるというが、それでも危機的な状況を脱するまでには至っていない。


前館長から「豊かな有明海を残してほしい」との願いを託されたのは、小宮さんが18歳の時。それ以来、絶滅危惧種が生息する場所を見つけては、行政や研究機関に報告し、保護を訴え続けている。

その活動について小宮さんはこう語る。

「かろうじて生き残っている生き物たちを次の世代につなぐために、何よりも今残っている場所を守るというのが、一番重要な役割だと思う」

豊かな海を次の世代に伝えるという目標のために、小宮さんはきょうも走り続ける。

フューチャーランナーズ~17の未来~

最終更新:7/14(土) 9:00
FNN PRIME