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ノネコ捕獲、環境省17日始動 奄美大島の生態系保全へ

7/14(土) 11:57配信

南海日日新聞

 環境省は17日、鹿児島県の奄美大島で希少な野生生物を襲って生態系を脅かす野生化した猫(ノネコ)の捕獲を開始する。同島の山中に生け捕り用のかごわな100基を設置し、捕獲した猫は奄美ノネコセンター(奄美市名瀬)に一時収容する。2018年度は月間30匹、計270匹の捕獲を計画している。同省奄美自然保護官事務所は「ノネコの捕獲とモニタリングを的確に進め、島の素晴らしい生態系の回復に努めたい」としている。

 同省によると、奄美大島の森林部には推定600~1200匹の猫が生息している。近年、国の特別天然記念物アマミノクロウサギなど希少な野生生物を捕食する被害によって生態系への影響が懸念され、世界自然遺産登録を目指す同島で喫緊の課題となっている。

 同省は県、島内5市町村と今年3月、18年度から10年間の奄美大島のノネコの管理計画を策定した。ノネコの捕獲は同計画に基づいて行う。捕獲は希少な野生生物が多く生息する山中の16平方キロメートルの範囲にわなを設置し、環境省が委託した作業員が毎日点検して捕獲状況を確認する。周辺に自動撮影カメラを設置し、ノネコの分布や希少種の回復状況を確認するモニタリング調査を行う。

 ノネコは捕獲後、奄美ノネコセンターに収容し、事前に募集した譲渡希望者への引き渡しを進める。譲渡先が決まらない場合は、1週間をめどに安楽死処分とする。

 ノネコセンターの運営を担う島内5市町村で組織する奄美大島ねこ対策協議会によると、これまでに島内の個人、団体各1件、県外の団体1件の計3件の譲渡を希望する申請があった。今後も譲渡希望者の募集は続ける。協議会事務局の奄美市環境対策課は「希望者は少ないが、譲渡を最大限に進めたい」としている。

 捕獲が始まると、ノネコ以外に森林内に入り込んだ野良猫や飼い猫も捕獲される可能性がある。捕獲された個体が市町村に登録して交付された鑑札やマイクロチップから飼い主が分かる場合は引き渡す。首輪などで飼い猫とみられる場合は地元役場で情報を公示して飼い主を探す。所有者が判明しなければ県が引き取る。

 環境省奄美自然保護官事務所の岩本千鶴自然保護官は「ノネコによる希少種への影響が大きくなる恐れがあり、早急な対策が必要。県、5市町村など関係機関と連携して取り組みを進める」と述べた。

奄美の南海日日新聞

最終更新:7/14(土) 11:57
南海日日新聞

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