ここから本文です

父子でつないだ背番号 初戦敗退も最後に握手 天羽高 羽根和宏監督 涼平選手 【100回目の夏 白球を追って】

7/14(土) 9:43配信

千葉日報オンライン

 天羽高校の背番号8。3年生の中堅手、羽根涼平選手(18)にとって特別な背番号。同校出身の父、羽根和宏同校監督(50)が背負っていたからだ。選手と監督で迎えた最後の夏。初戦で散ったが、成長の証しを父親としても野球人としても尊敬する和宏監督に見せつけることができた。「厳しいこともあったけど、充実した3年間だった」。敗戦に目を赤くしながらも満足感も漂わせた涼平選手。2人は選手と監督として最後の握手を交わした。

 和宏監督は国際武道大野球部を経て川崎製鉄千葉(現JFE東日本)に所属。都市対抗野球にも2回出場した実力者だ。小学4年生で野球を始めた涼平選手にとって、和宏監督は尊敬する存在。背中を追い続けてきた。高校進学でも迷わず父親の母校を選んだ。「うれしかった」と和宏監督は表情を緩めて、当時を振り返る。

 家では「お父さん」、練習では「監督」。特別扱いは一切なし。2人は3年間、家庭と野球をあくまで区別した。試合前日の夜も野球の話はまったくしなかった。自宅で涼平選手が自主練習をしても、和宏監督はアドバイスをせずただ見守ることが多かった。

 2人の最後の夏。対戦相手は2年前の夏に敗れた因縁の相手。先頭打者を任された涼平選手は「父親と同じ打順。絶対に雪辱を果たす」。おのずとバットを握る手にも力が入った。しかし、終盤に打者一巡の猛攻を受けて、コールドゲームも見えてきた。その裏、1死一、二塁で回ってきた5打席目。「絶対に諦めない、後ろにつなぐ」。直球に食らいつき内野安打を放ち、得点に絡んだ。

 試合後に握手した2人。涼平選手は「これで高校野球が終わる」。「親子ということで涼平にプレッシャーをかけてしまったかな」と気遣った和宏監督。「おとなしい性格の子が最後の最後に意地を見せた。この3年間で成長したね」。選手と監督から、息子と父親に戻り球場を後にした。

あなたにおすすめの記事