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ああ極楽、極楽…大阪の「電気風呂」が気持ちいい

7/14(土) 6:35配信

DANRO

「東京東京東京東京……」。「東京」という字を何十回も重ね、「書けば書くほど悲しくなる」と結んだのは青森出身の寺山修司だった。東京的価値観が全国を包みこんでいる時代。たしかに「東京東京」とオセロの駒のようにすべてが同じ色に染まっていいのだろうか。そんなことを心配してしまう。(小泉信一)

その点、大阪はうれしい。東京に同調しないものがある。たとえばエスカレーターの「右乗り」。諸説あるが、1970年の大阪万博のとき、急ぐ人のために左側を空けるよう鉄道会社が呼びかけたのがきっかけとか。京都や滋賀では東京と同じ「左乗り」も最近見かけるが、大阪(なぜか神戸、奈良、和歌山も)は変わりそうもない。「東京がおかしいんや。右乗りが正しい」と大阪に住む友人は言う。

居酒屋でも違うものがある。瓶ビールの呼称。大瓶は「おおびん」ではなく「だいびん」。中瓶は「ちゅうびん」だが、小瓶は「こびん」ではなく「しょうびん」である。「『しょんべん』と間違えられないだろうか」。またまた勝手な心配もするが、歯切れがいい言い方を意識する東京とは明らかに違う。喫茶店ではアイスコーヒーを「レー(冷)コー」と縮めて言う人もいる。本当かどうかはわからないが、クリームソーダを「クーソー」と呼ぶ人もいるそうだ。

さて、銭湯。北海道の稚内から鹿児島の奄美大島まで年間延べ80~100軒の銭湯に通っている「銭湯記者」としてはここでも、東京と大阪の違いを発見した。「電気風呂」がほとんどの銭湯にあるのだ。お湯に微弱な電気を流し、ビリビリの刺激を楽しむ風呂である。

「たしかに、東京より圧倒的に多い。電気風呂の発祥の地、と言っていいかもしれませんね。出力電圧も大阪のほうが高いんですわ。アトラクション的な意味合いもあり、新奇なものを好む大阪人気質にもぴったりだったんでしょうね」

通天閣の真下にある老舗銭湯「新世界ラジウム温泉」の主人、田前博巳さんが教えてくれた。氏は大阪府公衆浴場業生活衛生同業組合の理事でもある。

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最終更新:7/14(土) 7:53
DANRO