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豪雨災害と感染症 ~被災地での感染症から身を守るために~

7/14(土) 13:53配信

BuzzFeed Japan

この度の豪雨による災害により亡くなられた方々には、深く哀悼の意を捧げます。そして、被災された皆様にも心よりお見舞いを申し上げます。

【写真】水没地域、屋根の上に“馬”

災害の後には、衛生環境の悪化、栄養状態の低下、避難所での集団生活などによって、いろいろな感染症の発生リスクが高まります。

今回のような広域災害の場合には、猛暑などの気候の影響、水の不足、トイレやお風呂不足のなどの状況が、地域によって大きく異なることも特徴です。

このような環境においては、全てにおいてベストな対策をとることは困難です。

したがって、注意すべき感染症の特徴を知り、それぞれの環境の中で行える方法を選びながら、感染症のリスクを少しでも低くしていくという考え方が必要となります。

感染症専門医の立場から、今、あなたにできることを一緒に考えてみましょう。
【寄稿:今村顕史・駒込病院感染症科部長 / BuzzFeed Japan Medical】

【豪雨をきっかけに起こる感染症】

豪雨災害後の被災地における作業では、「破傷風」への十分な注意が必要となります。破傷風は、死亡率の高い病気です。

菌が産生する強力な神経毒によって、3~21日で口が開きにくくなる開口障害が現れて、全身けいれん、そして呼吸筋麻痺を起こしてしまいます。

破傷風の原因菌は、外界では芽胞(がほう)という殻の中で安定して、一般的な土壌の中にも潜んでいます。空気が嫌いな菌なので、古い釘を深く刺した時など、空気の少ない深い傷の奥などで増殖して、強力な毒素を産生するのです。

したがって、大雨によって流れてきた木材、壊れた家の瓦礫、流れ込んだ泥などを処理する作業の時には、深い傷を負わないように注意する必要があります(擦り傷などの浅い傷は、空気に触れやすいので、深い傷よりリスクは低くなります)。

また、「レプトスピラ症」という感染症も、豪雨災害の後に起こることがあります。レプトスピラは、病原体を含むネズミなどの尿によって、水や土壌が汚染されてしまい、それが皮膚や粘膜に接触することで感染します。

これらの感染症は、まれな病気ではありますが、重症となることが多いので予防対策が必要です。

暑い時期ではありますが、上記のような作業を行う場合には、予防のために長袖と長ズボン、厚手の手袋を着用しましょう。

また、靴については、できれば底が厚いものがおすすめです。また、作業によって、深い創傷を負ってしまった場合には、現地の医療スタッフに相談してください。破傷風を防ぐために、受傷後に接種するワクチンや免疫グロブリンもあります。

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最終更新:7/14(土) 17:59
BuzzFeed Japan