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倉敷の小田川の支流5カ所も決壊 西日本豪雨で岡山県内死者60人

7/14(土) 14:03配信

山陽新聞デジタル

 西日本豪雨で50人に上る犠牲者が出ている岡山県倉敷市真備町地区で、堤防の決壊が新たに小田川の3支流の計5カ所でも起きていたことが14日、岡山県への取材で分かった。決壊箇所はこれまで判明していた小田川の2カ所とその支流・高馬川の1カ所と合わせ8カ所となった。専門家は、本流の水位が上がって支流の水が流れにくくなる「バックウオーター現象」が複数の場所で発生したことが甚大な被害につながった可能性があると指摘している。

 県の14日午後8時までのまとめでは、井原市で新たに1人の遺体が見つかり、県内の死者は計60人になった。行方不明者は安否が確認された人を除き、高梁、新見市、鏡野町の各1人。多数を占めていた真備町地区の行方不明者はいなくなった。

 県河川課などによると、新たに決壊が確認された5カ所は、高馬川の右岸1カ所、末政川の左岸2カ所と右岸1カ所、真谷川の左岸1カ所。小田川との合流点付近が破堤しおり、約300~20メートルにわたって崩れていた。真備町地区では全体の3割に当たる約1200ヘクタールが浸水し、約4600戸が浸水被害を受けたとみられている。

 現地調査した岡山大大学院の前野詩朗教授(河川工学)は「豪雨によってバックウオーター現象が本流の高梁川と小田川との合流点付近でも起き、小田川の水位が上がって高馬川など3支流の水が流れにくくなり、堤防の破断につながった可能性が高い」と分析している。

 3支流を管理している県は、1990年代に堤防の整備工事をしていたが、決壊を受けてその原因を突き止め、今後の対策を検討する方針だ。

 国と県は決壊した計8カ所について、盛り土などの修復工事を16日までに完了させたいとしている。

 県の被害まとめでは、住宅関係では倉敷市で全容が把握できていない段階だが、全壊に真備町地区を含む同市を100棟以上と計上し、県全体で120棟以上とした。半壊・一部損壊は計69棟、床上・床下浸水は計1万1240棟。