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通算306本塁打も広澤克実氏も目から鱗 最新の打撃理論と「フライボール革命」

7/14(土) 11:53配信

AbemaTIMES

 プロ野球で通算306本塁打と活躍した広澤克実氏が、近年野球界で話題となっている打撃理論と「フライボール革命」について、現役時代から現在にいたるまでの野球界との違いについて目を丸くした。国学院大学・准教授の神事努氏との対談企画で、「バレルゾーン」について詳細な説明を受けると「小さいころから、バレルゾーンに行っちゃう子がいると思う」と、少年野球の時代からセンスを発揮してバレルゾーンに打つことができる選手の成長を妨げることなく、伸ばすことの重要性を力説した。

 ボールを投げる、打つ、捕るというプレーは物理的なものが必要となるが、広澤氏によると「これまでデータを分析してきたのが野球経験者。選手だった人がなんらかの事情でやめた後にスコアラーなどになるので、物理に関わった人じゃない。だから全部確率論になる」と、何球中に何球といった確率だけではなく、より物理的なアプローチができる専門家の分析を求めていた。現在では投球、打球の速度、回転数などが瞬時に計測できるため、神事氏は「1球、2球投げれば(投手の)調子が分かります。変化量なら、何センチボールが曲がったとかも出る。(普段より)10センチ曲がっていなければ調子が悪いとかですね」と説明した。

 数値が正確に出たことで、求め出されたのが「バレルゾーン」と呼ばれるもので、そこに飛べば打率に換算して.822にもなるとされている。打球速度が速いほど角度は広がるが、バレルゾーンが有効となるのは打球速度158キロ以上から。158キロで角度が26~30度に飛ばせばいい計算だ。神事氏は「除脂肪体重が1キロ増えると、スイング速度が1.3キロ増加します」と解説。打球速度158キロをクリアするためにはスイング速度128キロが必要だが、体脂肪率15%の選手であれば、体重74.8キロでいいことになる。この数字に広澤氏は「(ヤクルトの)山田哲人が打つのが分かった」とうなずいていた。

 ここから重要になるのが、ボールとバットをどこで当てるかだ。最大飛距離を目指した場合、バットは地面に対して19度上向きの軌道を取り、ボールの中心に対して0.6センチ下で当たることが理想だという。広澤氏は「高校の監督には『バットの下半分はないと思え』とよく言われました」と、当時の指導が現在の理論に沿っていることを思い起こしていた。

 国内の野球の指導ではボールを打ち上げるよりも転がすことが優先され、筋肉トレーニングよりもランニングを重視する流れが強いと見られている。将来の天才長距離打者が生まれるためには、少年野球の時代から自然とバレルゾーンに打つ感覚を持つ選手を、正しく育成することが重要だと広澤氏は熱弁した。「もしかしたら今はボールを転がせないから、試合に出られていないかもしれない。体力がないから飛んでもセンターやレフトの正面に飛んで、アウトになる子かもしれないですが」と付け加えると、全国の指導者に向けて“隠れた天才打者”の成長段階を見逃さないように訴えかけていた。

最終更新:7/14(土) 11:53
AbemaTIMES