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トランプの「金正恩親書」公開は、米国内批判をかわす狙い

7/14(土) 7:23配信

ハンギョレ新聞

朝鮮半島“非核化”ための朝米会談膠着状態 両国間の信頼関係に問題はないと見せるため これまでも親書公開の意向を繰り返し明らかに

 欧州を歴訪中のあるドナルド・トランプ米大統領が、突然金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長が送った親書の原本を公開した。史上初の朝米首脳会談から一カ月が過ぎたが、北朝鮮核問題の解決に明確な進展がないという批判を封じ込めるための措置と見られる。

 12日午後(現地時間)、ロンドンに到着したトランプ大統領は、ツイッターを通じて「北朝鮮の金委員長が送ってきた非常に良い手紙。偉大な進展が作られている」という短いメッセージとともにハングルと英語で書かれた親書を公開した。国家最高指導者間の親書の原本をそっくり公開するのは非常に異例だ。

 金委員長は親書で「閣下との意味深い初の対面と、私たちが一緒に署名した共同声明は、真に意義深い旅程の開始」とし「私は両国の関係改善と共同声明の忠実な履行のために傾けている大統領閣下の熱情的で格別な努力に深い謝意」を表わすと明らかにした。続けて「朝米間の新たな未来を切り開こうとする私と大統領閣下の確固たる意志と真剣な努力、独特の方式は必ず立派な実を結ぶことになると堅く信じる」として「大統領閣下に対する変わりない信頼が今後の実践過程で一層強固になることを願い、朝米関係改善の画期的な進展が私たちの次回の対面を操り上げるだろうと確信」するとして文を結んだ。

 親書は6・12首脳会談後、初の朝米高位級会談のため6~7日に平壌(ピョンヤン)を訪問したマイク・ポンペオ国務長官に金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長兼統一戦線部長が渡したものと推定される。

 中でも目につくのは「独特の方式」、「信頼」などの表現だ。こうした用語に含まれた内心を理解するには、北朝鮮が7日に出した外務省報道官談話を参考にしなければならない。北朝鮮は談話で、ポンペオ長官が6・12首脳会談の精神に合わせて「信頼造成に役立つ建設的方案を持ってくること」を期待したと述べた。だが「会談の精神に相反するようにCVID(完全で、検証可能で、不可逆的な核廃棄)だ、申告だ、検証だというような一方的で強盗的な非核化要求だけを持ち出した」と非難した。また「米国が焦燥感に捕われて、以前の行政府が使った古い方式を私たちに強要しようとすれば、問題解決に何の役にも立たないだろう」と述べた。すなわち金委員長は、非核化は長期にわたる朝米間の信頼形成を通じて成し遂げられるという点を「独特の方式」という表現で改めて強調したものと見られる。

 トランプ大統領が親書を公開したのは、北朝鮮の非核化意志に対する米国内の根深い冷笑にもかかわらず、交渉が円満に進行していると誇示するためと見られる。彼の「焦燥感」は、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の結果を説明する12日の記者会見で露出した。北朝鮮核に対する質問がなかったのに、交渉がどれほどよくなされているかを説明するように、ポンペオ長官に発言の機会を与えた。彼は続けて「今(朝米は)良い過程にある。重要なのは過去9カ月間、ロケット発射がなく、ミサイル試験もなく、核実験や爆発がないということ」と強調した。

 一方、米国は12日、北朝鮮が制裁を避け精油製品を密搬入しているとし、国連安全保障理事会傘下の対北制裁委員会が年末までに北朝鮮に対する精油製品輸出を禁止しなければならないと主張した。北朝鮮との対話を強調しながらも「非核化するまで制裁解除はない」として圧迫カードを誇示し続けると見られる。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:7/14(土) 7:23
ハンギョレ新聞