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ZOZO前澤社長の球界参入に「NO」を突きつける人が多い背景

7/19(木) 11:26配信

ITmedia ビジネスオンライン

 球界の「開拓者」か、それとも「第2のホリエモン」か。ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイの前澤友作社長を巡り、見解が分かれている。

前澤社長の球界参入発言に疑問の声……

 同社長は17日、Twitterを通じて「プロ野球球団を持ちたいです」と発信し、大きな波紋を広げている。2016年に千葉ロッテマリーンズの本拠地球場の命名権を約31億円で取得し、「ZOZOマリンスタジアム」と名称を変更。同球場に私費1億円を寄付するなど球界との関わりは深い。この流れから考えれば、ロッテ買収をターゲットにしていると考えるのが妥当だろう。

 しかも千葉県鎌ヶ谷市出身の前澤社長は故郷の“千葉愛”がハンパなものではない。ファッション業界の会社であれば、渋谷や表参道あたりに会社を構えようと考えても不思議はない。しかし東京には興味も見せず、千葉の海浜幕張に本社を置いた。

 「100億円」とも言われる自身の豪邸も千葉市内だ。スタートトゥデイ本社から徒歩15分ほどの本拠地球場を使用するマリーンズを所有にしたいと思い描いているのではないだろうか。そう予想している人が世の中の大半であろう。

 一方、実業家でホリエモンこと堀江貴文氏も、同日のTwitterでこの前澤発言に反応。「ひっそりと動いている16球団化のキーマンを前澤さんに紹介しときましたよ。四国アイランドリーグベースに一球団、BCリーグベースに北信越に一球団、静岡に一球団、沖縄に台湾と米軍連携で一球団っていいと思う」とナゾかけのようなコメントを発信した。ちなみに、堀江氏にはライブドア社長時代の04年に大阪近鉄バファローズの消滅に伴って買収を名乗り出たり、東北への新球団設立構想を発表したりしたが、いずれも実現できなかった苦い過去がある。

前澤社長の真の狙い

 その堀江ラインに沿う形で前澤社長が現状のセパ12球団から新たに4球団を増やす球界再編へと乗り出すのではないかとみる向きもあるが、これは余りにも非現実的だ。簡単に4球団を増やすといっても、試合日程の組み方など議論すべきことは山のようにある。何より、たとえ資金があっても新しくつくられる4球団と既存の12球団との戦力の均衡化を図ることが最も困難。バランスが取れなければ試合にならず、“弱い新球団”を果たしてファンが応援し続けてくれるのかという疑問も出てくる。

 ただでさえ新参者を嫌う傾向の強い日本プロ野球界が既存球団の買収ならばともかく、採算面で自分たちにもリスクが生じかねない16球団構想に耳を傾けるとは到底思えない。今オフに何らかのアクションを起こすことを表明している前澤社長のシナリオが仮に新球団設立構想だとするならば、残念ながら絵に描いたモチで終わる可能性が大だ。

 さて、そうなると俄然、前澤社長の真の狙いはマリーンズ買収プランではないかと思えてくる。ロッテの山室晋也球団社長が「ロッテは売却する意思はありませんし、今後もありません」と明言したものの、経済界は山の天気と同様に数時間先でもどうなるか分からない。これを額面通りに受け取るのはいささか早計だ。

 Forbes(フォーブス)誌によれば、17年3月の時点で前澤社長の総資産は実に約3330億円。スタートトゥディの企業規模も18年3月の時点で商品取扱高が2705億円(前年比27.6%増)もあり、営業利益も326億円(同24.3%増)となっている。現状の野球協約では新規参入の場合、預かり保証金など約30億円が必要で、既存の球団買収となると少なくともその3~4倍以上の資金が必要となるが、前澤社長率いるスタートトゥデイの保有資産ならば、いずれもまったく問題なく工面できるはずである。マリーンズを買収し、経営できるだけの体力は十二分に持ち合わせていると断言していい。

 ちなみに多くのマリーンズファンは前澤社長のつぶやきに対して、好意的な目を向けているようだ。親会社であるロッテホールディングスの名誉会長で球団オーナーを務めている重光武雄氏は、実子でオーナー代行を務めていた昭夫氏とともに横領などの罪で国籍を持つ韓国国内で実刑判決を受け、その求心力は球団内でも急速に低下しつつある。

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