ここから本文です

「孤独死はかわいそう」は本当か?「ひとり死」時代の理想の逝き方

7/19(木) 6:10配信

DANRO

50歳男性の4人に1人が未婚という空前のソロの時代。生き方ならぬ「逝き方」のかたちも劇的に変わりつつあります。「今の時代、ひとりのほうが上手に逝ける」。そう指摘するのは、四半世紀にわたって日本人のお墓と葬送を見つめてきた第一生命経済研究所の小谷みどりさんです。なぜ「ひとり死」のほうがいいのか。『<ひとり死>時代のお葬式とお墓』(岩波新著)という著書をもつ小谷さんに「ひとり死」の実態について聞きました。(後藤絵里)

「葬式を出す人がいない」ケースが増えている

――だれにも看取られずに死んでいく「ひとり死」が増えていると聞きます。現代の葬送事情は変化していますか。

小谷:だいぶ様変わりしています。いまは年間134万人が亡くなる「多死時代」ですが、さらに増えていて、このままいくと20年後には年間168万人が亡くなると試算されています。

そうなると、葬儀社や墓石業者がもうかるように思えます。しかし、お葬式もお墓も、死ぬ人と残される人がいて成立するものです。実際には、亡くなる人は増えても、「葬式を出す人がいない」「お墓参りをする人がいない」というケースが増えているんです。

「ひとり死」が増えた背景には、死亡年齢の高齢化があります。たとえば、2016年に亡くなった女性の8割近くが80歳以上でした。90歳以上に限ってみても、4割近くを占めています。亡くなる人が高齢になれば、家族や親族も同じように年をとる。自分が死ぬとき、どれだけの人が葬式やお墓の面倒を見てくれるでしょうか。

――葬送をとりしきる人がいないわけですね。

小谷:通夜や告別式などのセレモニーをしないで火葬する「直葬」も、少しずつ増えています。遺族が、故人の甥や姪、年老いたきょうだいなどの場合、「遺骨を引き取りたくない」ということで、自治体に持ち込まれることも多いんですね。そういうとき、本当はお墓があるのに、甥や姪が知らなくて、無縁墓に納骨されてしまうかもしれません。

そんな事態を防ぐため、神奈川県の横須賀市では今年5月から「わたしの終活登録」という事業を始めました。希望する市民は、遺言書の保管場所やお墓の所在地、それらの情報を開示する対象者など11の項目を登録しておくことができます。問い合わせも含め、かなり関心が高いそうです。

――どんな人が申し込むのでしょうか。

小谷:登録した人の多くは、子どもや配偶者がいる人だそうです。40代の子どもに障がいがあって「親子で登録したい」と願い出たケースがある一方で、「自分が死んだら、離れて住む子どもに絶対に知らせないでほしい」という依頼もあったそうです。

家族がいようがいまいが、最後は個人の意思。その意向を確認しなければ、「家族がいる=面倒をみる人がいる」ということにはならない。基本は個人であり、家族は「オプション」でしかありません。

1/3ページ

最終更新:7/19(木) 7:15
DANRO

Yahoo!ニュースからのお知らせ