ここから本文です

絵本作家・かこさとしさん 「未来の子どもたちのために」活動支えた想い

7/19(木) 15:10配信

MBSニュース

「この本に出会わなければ…」かこさとしさんお別れ会

今年5月に、92歳で亡くなった絵本作家のかこさとしさん。7月16日に開かれたお別れの会には、絵本作家や出版関係者などが大勢駆けつけました。「からすのパンやさん」との出会いがなければ絵本作家になっていなかったと語ったのは、「りゆうがあります」などの人気作家のヨシタケシンスケさん。

「『からすのパンやさん』のパンがいっぱい描いてある見開きのページがとにかく大好きで、いつも見開きを見てお母さんに『僕はとんかちパンが食べたい。お母さんは何パンがいい?』と毎日聞いていた。母親との会話したときの顔とセットで思い出される本なんですね」(ヨシタケシンスケさん)

かこさんは、きかんぼうのだるまが活躍する「だるまちゃんシリーズ」など600冊以上の作品を生み出しました。

前立腺がんなどいくつもの病気を抱え、晩年には左目はほとんど見えていなかったという、かこさん。それでも最後まで創作意欲が衰えることはありませんでした。

戦争で生き残ったことで決意した想い

かこさんは1926年(大正15)に福井県越前市で生まれました。5歳の時に満州事変が起きるなど、物心ついたころには戦争一色。何の疑いもなく航空士官を目指しました。しかし、視力の低下で受験できなかったところ、周りの大人たちの態度が一変したといいます。

「『なんだ、軍人になれんような奴かお前は』なんて罵倒された。子どもたちにはせめて僕のような間違いをしない賢さと、自分の将来を見通す、そういう力をつけるような子になってほしい。そういうお手伝いをできるならしたい」(かこさとしさん)

戦争で生き残った自分を「死に損ない」だと言い、残りの人生を未来ある子どもたちのために尽くすことにしました。創作活動に加え、自宅近くの工業地帯で親が仕事で忙しい子どもを支える運動に参加し、手作りの紙芝居も披露していました。

「子どものほうが反応がピタッとしてるんですよ。良ければ『良い』悪ければ『ダメ』。子どもだと侮ってはとんでもない」(かこさとしさん)

この活動から生まれたのが「どろぼうがっこう」です。コミカルに描いたどろぼうの先生と生徒。自分で善悪を判断する力を身につけてほしいという願いを込めました。

1/2ページ

最終更新:7/19(木) 15:10
MBSニュース

Yahoo!ニュース特設ページ