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米国で資源ごみ山積み、中国の廃棄物輸入禁止措置で

7/20(金) 10:04配信

AFPBB News

(c)AFPBB News

【7月20日 AFP】米ワシントン・ボルチモア広域都市圏ではこの数か月、大手リサイクル企業が大きな問題に直面している──これまで、中国に売っていた紙やプラスチックなどの資源ごみの処分を有償で別の業者に依頼しているのだ。再生材が「汚染されている」として、中国政府が資源ごみの輸入廃止を発表したことがその背景にはある。

 首都ワシントンから車で1時間、メリーランド州エルクリッジ(Elkridge)にあるリサイクル企業「ウェースト・マネジメント(Waste Management)」の工場では、ベルトコンベヤーの上を週5日間、24時間体制でゴミが流れている。900トンに上るごみは、確かにきれいとは言い難い。耳をつんざくような騒音と茶色っぽいちりの中で、手袋とマスクをした数十人の従業員──その多くは女性──が資源ごみの山からありとあらゆる物を手早く仕分けしているが、これら資源ごみが「汚染物質」と見なされてもおかしくないありさまだ。

 作業員らが仕分けしているのは、衣料品やケーブル、木の枝、そしてリサイクル業者にとって厄介なレジ袋など何でもありだった。レジ袋は、機械に巻き付いてしまうため、本来はリサイクルの対象ではない。

 米科学誌「サイエンス・アドバンシズ(Science Advances)」によれば、1992年以降、世界中のプラスチックごみの72%が中国と香港に送られていたとされる。

 しかし、中国政府は先ごろ、世界のごみ箱/再生分別箱になることを嫌って新たな環境政策を打ち出し、今年1月以降、大半の古紙とプラスチックごみの輸入をやめている。

 米国の廃棄物処理業者らは、中国が2020年までにすべての資源ごみの輸入を取りやめる可能性があるとみているが、残された期間が2年足らずというのはあまりにも短い。

 ワシントンを拠点とする米国再生資源協会(ISRI)のアディナ・リネー・アドラー(Adina Renee Adler)氏は、「単独で、いや率直に言うと、おそらく数か国単位の集まりでも、中国が引き受けていたほどの量の廃棄物を受け入れられるところはどこにもない」と指摘する。

■分別せず埋め立て地に送る業者も

 ウェースト・マネジメントは現在、サウスカロライナ州の業者にペットボトル類を買い取ってもらい、また国外の業者にボール紙を送っている。だが、ミックスペーパーやミックスプラスチックは無価値同然で、下請け業者にお金を払って収集してもらっているのが現状だ。

 米国の他のリサイクル施設の中には、大きなタブーを犯し、プラスチック類と紙類を分別せずに、そのまま埋め立て地に送ってしまっているところもある。

 テキサス州ヒューストンの廃棄物処理会社WCAのビル・シーザー(Bill Caesar)社長は、「(こうした事実については)誰も口にしたがらない。自分らのところも同様であるという事実を受け入れ難いからだ」と指摘する。

 ウェースト・マネジメントや、別の業界大手リパブリック・サービス(Republic Services)は、条件付きでその方法を取っていることを認めているが、他方で一部の小さな自治体では、資源ごみの回収をストップしているところもある。

「最大の問題は、中国がこの業界に対して、新しいシステムに移行する猶予をほとんど与えなかったことだ」とISRIのアドラー氏は述べる。

 こうした現状について、全米廃棄物リサイクル協会のダレル・スミス(Darrell Smith)代表は、「新たな市場や資源ごみの新たな用途を見つけなければ、私たちが抱えるごみは収拾つかないほどの量になり、埋め立て地に回していかなければならない量もますます増えるだろう」と付け加えた。

■「リサイクルすればするほど高くつく」

 首都ワシントンはすでに、再生利用する資源ごみに1トン当たり75ドル(約8500円)、発電用に焼却されるごみには1トン分46ドル(約5200円)を支払っている。

「リサイクルする方が安くつくという時代も数年前まではあった。でも、それはもう通用しない」と、ワシントンの公共事業の責任者を務めているクリストファー・ショーター(Christopher Shorter)氏は言う。「これからは、リサイクルすればするほど高くつくことになる」というのだ。

 ワシントンでは現在、ごみの重量に基づき、それぞれの住民が一定金額を支払う案も検討されているという。

 米国でのごみを取り巻く環境について、WCAのシーザー氏は、「リサイクルという恩恵を受けるために、これからはもっとお金を払わなければならなくなるだろう」との見通しを示し、米市民が今後直面するであろう問題に警鐘を鳴らした。

 映像は6月28日、7月6、10日撮影。(c)AFPBB News

最終更新:7/20(金) 16:06
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