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高速道路の右ルート/左ルート、なぜ分かれる 歴史的経緯からわかる「違い」とは

7/21(土) 7:10配信

くるまのニュース

右ルートはかつての…

 高速道路を走っていると、「右ルート」と「左ルート」に分かれる区間があります。東名高速下りの大井松田IC~御殿場IC間や、上りの焼津IC~静岡IC間(日本坂トンネル)、中央道下りの上野原IC~大月IC間などです。なぜこのような構造になっているのでしょうか。

高速道路の改築、ビフォー・アフターを写真で見る

 これは、交通量の増加にともない車線を増設した結果です。

 たとえば東名高速下り大井松田IC~御殿場IC間のうち、右ルートはかつての上り線です。車線増設にあたり、通常は既存の道路が拡幅されますが、途中にトンネルがあると拡幅が困難になることがあります。そのため、大井松田IC~御殿場IC間では既存の上り線を転用することで、下り線として2車線+2車線の4車線を確保、そして新たに上り線として3車線の道路を建設し、1991(平成3)年に改築が完了しました。このほかのルートが左右に分かれる箇所も、同様の手法が採られています。

 大井松田IC~御殿場IC間には途中に鮎沢PAがありますが、下り線のPAは左ルートからしか入れません。じつは現在の右ルートにも、かつて上り線だったころにはPAがあったものの、下り線への転用にともない、新設された上り線側へ移設されました。旧上り線PAの跡地は現在、NEXCO中日本の事業用施設として活用されており、一般車の立ち入りはできなくなっています。

上下線とも左右ルートに分かれる名神 違いは?

 一方、名神高速の京都南IC~茨木IC間は、上下線とも左右ルートに分かれます。この区間には天王山トンネルと梶原トンネルがありますが、それぞれトンネルが4本ずつ(下り線2本、上り線2本)並行しています。

 京都寄りの天王山トンネル付近は、下り線の左ルートは古くからの下り線で、右ルートはかつて上り線でした。一方、大阪寄りにある梶原トンネルの場合は、下り線の右ルートと上り線の右ルート、つまり4本並んだトンネルのうち真ん中の2本が古くからの上下線です。NEXCO西日本によると、この京都南IC~茨木IC間はもともと片側2車線を4車線ずつに改築するにあたり、地質・地形条件を考慮して天王山トンネルでは現在の上り線側に2本、梶原トンネルでは従来ルートの両側に1本ずつトンネルを新設したのだそうです。

 京都南IC~茨木IC間では上下線ともに、京滋バイパスおよび京都縦貫道が接続する大山崎JCTの分岐・合流が、左ルート上だけにあります。このように、場所と行き先によっては、左右どちらかのルートを適切に選ばなければならないケースや、先述した東名高速の鮎沢PA下り線のように、左右のルートで施設に違いが出てくることもあります。

 とはいえ、右ルートと左ルートは多くの場合、一部区間を除けばもともとが一体の上下線であったこともあり、距離的にはほとんど変わりありません。しかしながら、実際の通行量や交通の特性は、左右のルートで変わってくることもあるようです。東名高速下りの大井松田IC~御殿場IC間についてNEXCO中日本は、「道路構造や規制速度の違いはありませんが、交通量は左ルートのほうが多い傾向があります。というのは、左ルートは鮎沢PAにおける休憩需要のほか、バスストップも3つ(松田、山北、小山)ありますので、バスをはじめ大型車がこちらを通ることが多いです」とのこと。

 ちなみに、こうした道路改築にともなって古いルートが「廃道」となったケースもあります。中央道 上野原IC~大月IC間の上り線側には、約1kmにわたって使われなくなった道路が平行している区間があるのですが、これは片側2車線だった(現在は3車線)時代の上り線です。NEXCO中日本によるとこの旧道は、一部は山梨県に売却のうえ県道に転用されたものの、一部は資材置き場などに使われているといいます。

くるまのニュース編集部