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方向幕やバスカードも過去のものに? いまや珍しいバスの設備【路線バス編】

7/21(土) 14:13配信

乗りものニュース

「デジタル化」「バリアフリー」で進化する路線バス

 より「乗りやすいバス」「分かりやすいバス」をめざし、日本の路線バスは日々進化し続けています。一方で、「いまでは珍しい」「数を減らしている」サービスや設備があるのもまた事実です。これらの流れに共通するキーワードを付けるとしたら、「デジタル化」「バリアフリー」という言葉があてはまるかもしれません。

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コレクターズアイテムとなった「方向幕」

 最近、街中を走る路線バスの行先表示を見て、何か気付くことはありませんか。鉄道の駅や車体の行先表示では当たり前になりつつあるLED方式の行先表示器が、バスにおいても普及しているのです。

 LED行先表示器を導入するメリットは、「スムーズに行き先や種別を変更できる」「表示内容の編集が容易」「多彩な表示が可能」「メンテナンス費用を下げられる」など様々。現在主流なのは、オレンジ色など単色で表示するタイプですが、最近は複数の色を用いるカラーLED行先表示器も徐々に普及してきています。

 その影で急速に数を減らしているのが、「方向幕」と呼ばれる幕式の行先表示器です。行き先や運行区間、路線名などを表示した「幕」(フィルム状のもの)を、巻き取り器などを使って表示させるというものですが、LED式の普及が進むにつれ、「車両の転属や路線の改廃時に幕の交換作業が必要」「モーターやギアといった駆動部分のメンテナンスコストがかかる」などのデメリットが目立つようになりました。加えて、方向幕は焼却すると有害物質が発生するために、焼却処分ができません。このため、バス関連イベントで廃品として販売されることが多く、短時間で完売になることも多い人気のコレクターズアイテムにもなっています。なかにはネットオークションなどで高額で取引されているものもあります。

 一方で、京都市交通局(京都市営バス)のように、あえて方向幕を採用し続けるバス事業者もあります。同局ではもともと方向幕の系統番号を色分けして意味を持たせていましたが、2014年3月の運行計画変更で、さらに経路に応じたシンボルカラーを採用した結果、単色のLED行先表示では複雑な配色ルールに対応することが難しいため、現在でも方向幕を採用しているのです。

 じつは同局では、2010年代に入ってからいったん新車でLED行先表示器を採用していましたが、新運行計画が発表された2013年度新車からフィルム式の方向幕に戻していました。しかし、「平成30年度交通事業予算概要」によると、予算の重点項目の中に「見やすいフルカラーLED行先表示器の導入」が明記されており、早ければ2018年度にはフルカラーLED行先表示器を搭載したバスが登場する予定になっています。

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