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子供の一人歩きは危険だから大人が付き添うべき?

7/22(日) 21:20配信

LIMO

子供の一人歩きに大人が付き添うべきか否かは、コストとベネフィットを比較して考えるべきだ、と久留米大学商学部の塚崎公義教授は主張します。

危険なものは全て排除すべきか?

子供を連れ去る悪質な事件が目につきます。被害者の方々には心からお見舞い、お悔やみ申し上げます。しかし、「だから子供の一人歩きを禁止して大人が付き添うべきだ」という意見には、直ちには賛成しかねます。

子供の連れ去り、といった珍しい事件は大きく報道されますから、印象に残ります。そこで、対策を検討すべきだ、と声高に要求する人が出てきます。しかし、実際には何百万人の子供たちの中で、連れ去られたりするのはごくわずかです。

一方で、認知症の高齢者が徘徊して亡くなるという痛ましい事故は多数起きているようですが、珍しくないので報道されませんし、したがって我々の印象にも残らず、対策を声高に要求する人も出てきません。

そうであれば、子供に大人が付き添うより認知症の高齢者に付き添う方が先でしょう。もちろん、「子供にも認知症の高齢者にも付き添うべき」という意見はあり得ますが、それに対してはコストとベネフィットをどう考えるのか、という問題があります。大人が付き添うことによって必要となるコストと、それによって防げる連れ去りの数が、割に合うのか、という問題です。

こうした話をすると、「人の命は地球より重いのだから、コストの話など持ち出すべきではない」という人が必ず出てきます。しかし、それに対しては以下のような反論が可能です。

「大人と一緒に歩いていて交通事故で命を落とす子の方が、一人で歩いていて連れ去られる子より多いのです。それを考えれば、時速20キロ以上で走行可能な自動車は禁止すべきです」。

「便利なものは危険です。危険を完璧に除去したければ、自動車の制限速度は20キロにすべきです。殺傷能力のあるナイフは製造禁止にすべきです。インターネットは犯罪に悪用される可能性があるので禁止すべきです」。そんな極論が通るはずもありません。要は、程度の問題、常識の問題なのです。

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最終更新:7/22(日) 22:10
LIMO